きまぐれがき
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半年ほど前から、心臓が重苦しいような、カエルでも住み着いて 心臓の壁に足蹴りいれてない?といった感じでもあったのが、 昨晩は殊にひどくて眠ることに集中できなかった。
ああ私もとうとう死ぬんだな。 朝になったら死んでいる私を家族が発見するんだ。
黄泉の帝王トート閣下は出迎えてくれるのかしら? あやつは選り好みが激しいからそりゃぁ無理ってもんだろう。 死んでいくのに同伴者なんかいらないや。 産まれてきた時のように一人でいいさ。
などとあれこれ思い巡らしているうちに夜が明けて、私は生きて いた。 陽の光を見ると、さっきまでの弱気はどこへやら、死んでなんか いられるかという気になってくる。
罹りつけの医者は、何年か前にお父さん先生が亡くなられて今は 若先生だ。母のところへ定期的に往診に来られる先生でもあるの で、なんだか顔なじみの人に裸をみせるのは恥ずかしい。 だから昨年風邪をひいて高熱が出た時には、わざわざ家からだい ぶ離れた知らない内科で診てもらったりしたのだ。
しかし今回のカエルの動きは、事が重大かもしれない。 もし私が死んだあとに、自分ではない他の医者に罹っていたと若先 生が知ったら気を悪くされるだろうか?裏切られたと感じるだろうか? 医者に裸をみせるぐらいのことで、どうしてこうも思い悩まなくては ならないの。さっさと脱いでくりゃぁいいのさ。
で、行って来ました。
「カエルが。。カエルが。。」としか説明できない私。 それも不整脈の一種でしょうと心電図を測って、心室性期外収縮と の診断。 基本的には治療の必要はないとのことだけど、このカエルの足蹴り ほんとに不快なのだ。
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