きまぐれがき
目次|past|will
庭のミモザが満開。といっても2年続けて寒肥を施すのを 忘れたので、弱々しい花房。 枝を一抱え折って花瓶に挿したとしても、キスリングの ミモザには程遠い姿だろう。
母が大声で呼ぶので何事かと行ってみると、 「パパ公は今どこにいるのかしら?」 自分の夫のことを忘れている。 「死んだでしょ」と、あっさり答えると顔色が変って 「何時!?知らなかったわ」 怯えた顔、いまにも泣きそう。
最近、このやり取りの繰り返しばかりだ。
決して忘れるはずがないような記憶が消えていく。 それが不安だという意識がまだ本人にあるのでパニックに なるのだ。
日に何度もこの呼び出しがかかるたびに、胸がズキンと痛む。 私の不整脈の原因はコレなのか。
|