「いつか見た愛しさ」
迫り来る夜よりも私を閉じ込めて欲しかった。逃げ場をなくしてしまったらもう心置きなく私は眠れる。夜と風の形はいつか見た左手の愛しさによく似ていて鼓動を数えながら私の中でゆっくりと閉じた。