罅割れた翡翠の映す影
目次|過去は過去|過去なのに未来
恐ろしいのは、生きている人間。
死んだ人間は何をしても帰らない。 死人に捕らわれるのは今生きている人間。 死人の想いを捏造するのも生者。
死人の想いはそこで止まり 生者の様に変わりなどしない 死人の想いを変えて行くのは生者の意志であり 時に生きるためのエゴでもあり
死者を悼むのは生者に対してのモノであり 幾ら悼もうとも死者は答えない 死者を悼む事は死を認識した存在の自然な行為ではある しかしその想いに捕らわれる事は時にそれを捻曲げる 永遠に帰らない他人によって正当化されるエゴイズム 捻曲がった死人の想いが生者を突き動かし 生きているモノを傷つけ 時に死人を増やす
この世界は幾つの歪んだ想いで回っているの? そんな雁字搦めの世界でどれだけ自分を保てている? 自分自身の意志でなくどれだけのモノを傷つけた?
恐ろしいのは生きている人間。 想いを捻曲げなければ生きていけない人間。
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