Love Letters
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お盆休みの間、
あなたに3日間会いました。
あなたはあまり私には会いたくなかったでしょう。
でもほんの少しだけ会いたい素振りが見えたから、
あなたに会いに行きました。
ホテルの予約は私がしました。
夜は友達との予定を入れておきました。
知らない街での一人ぼっちの夜は寂しいから。
二日目の夜の友達との予定は
あいにくキャンセルになってしまったけれど。
二日目はあなたが丸一日時間を空けてくれたので、
外のうだるような暑さを避けて
お部屋でのんびり過ごしました。
テレビを見ながらお喋りをして…
あなたは一切の欲望を見せませんでした。
「もう、電話もメールも一切しないでくれ。」
あなたが冷酷な言葉を吐いたあの日から
数週間が経過していました。
お別れの日、
私はあなたの頬を打ったのでした。
私にとっては愛おしい5年間の歳月が
あなたにとっては単なる遊びに過ぎなかったと思ったから。
私があなたに手を上げたことで
あなたは私に憎しみを持ちました。
行為そのものよりも
感情が高ぶった時にそのような行為に至る女が怖いと
あなたは冷たく言いました。
あの時のお互いの憎しみをオブラートに包んで、
私達は普通に話をしました。
あなたは椅子に腰掛けて、
私はベッドの上にしゃがんで…
あの時の話には一切触れずに
他愛の無いお喋りを続けました。
お酒を飲みながらのお喋りのせいで、
柔らかい空気が流れ始めました。
「ねぇ、友達のキスをして。」
私は今にも蕩け出しそうな欲望を隠してお願いしました。
「もう少し、ちょうだい。」
あなたは遠慮がちに、幾つかのキスをくれました。
「好き?」
「それは聞かないほうがいいんじゃない。」
「もっとキスして。」
「単なる遊び相手でもいいってこと?」
悲しみで胸が押し潰されそうでした。
私達はそのままキスを止めて、
またお喋りを始めました。
私は、面倒な女になりたくなかったので、
泣き出しそうな気持ちを抑えていました。
夜、あなたとお蕎麦の美味しい居酒屋さんへ行きました。
温もりのある木のカウンターに
あなたと並んで座りました。
まるで出会った頃のように、
あなたは沢山話をしてくれました。
あなたは携帯の中にある
お店のリストを見せてくれました。
私と行ったお店の名前もあれば、
まだ一度も行ったことのないお店の名前もありました。
「私、ここに入ってるお店全部、
あなたと一緒に行きたいな。
別れるのはそれからでもいい?^^」
拒絶されるのが怖くて少し冗談めかして聞きました。
そっと見たあなたの横顔は
久しぶりの穏やかな笑顔でした。
三日間あなたに抱かれずに過ごしました。
抱かれない方があなたの心の動きがわかると
今回初めて気付きました。
私に対するあなたの気持ちは
「まだ微妙。」であり、
「修復には時間が必要。」なのだそうです。
抱いてくれなくても
私はあなたが好きだということもわかりました。
家に帰ってからあなたとメールをしました。
「私が素っ裸でお部屋を歩いていても
あなたはもう何とも思わないわね。(笑)」
「我慢しました。(笑)」
「ほんとは欲しかったの?」
「一度別れると言ったから
我慢しました。(笑)」
「じゃあ、私はまだ女として大丈夫?^^」
「まだまだ大丈夫でしょう。^^
あの葡萄は無敵です。(笑)」
今年の夏はとても暑い。
息も苦しくなるような暑さです。
お互いに自分が傷つくことを恐れて、
心に強固な壁を立てて再会した二人だけれど、
ほんの一瞬だけ
二人の間に風が吹いたのを
あなたは感じたでしょうか。
0574 W.S.R
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小夜子
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