Diary?
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南條竹則さんの「ギョウザとわたし」を読んでいたら恋文横丁が出てきて、あそこにあった「レンカ」のことを思い出した。
私が東京に来た頃はもう横丁はなくなっていたが、入口のところに一軒レストランが残っていて「レンカ」と派手派手しいネオンが灯っていた。恋文横丁だから恋歌なのか、いい名前だなと思った。
レストランというよりは洋食屋、洋風の居酒屋くらいのカジュアルな雰囲気で、若かった私にも入れる価格だった。私はそこで初めて「タコのマリネ」を食べたのだった。ニンニクやハーブが効いていて、美味しくて行くたびに注文して、自分でも真似して作るようになった。
何年か経って久しぶりに訪れてタコのマリネを注文したら、記憶とはまったく違う料理が出てきて困惑した。まずタコの皮が毒々しい赤色に染まっている。薄切りのそれが盛られた上にかかっているのは、どう見てもフレンチドレッシングだ。そして食べてみると強烈に酸っぱい。同行者と「これって、もしかして、、、酢ダコ、、だよね」と爆笑した。そう、それは「酢ダコのスライスにフレンチドレッシングをかけたもの」であった。
その後あの店のタコのマリネがどうなったのか確かめてみたかったけれど、次に行った時にはもう跡形もなくて、大型電機店を建てる工事が始まっていた。
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