生き様が顔に表れるというのは本当みたいです。 バイト先のお弁当屋さんに毎日数回買いに来るお客さんがいます。 その人はうちのお店のはす向かいの串揚げ屋さんの従業員です。 いつも店名の入ったエプロンを身につけています。 頼むのは毎回お弁当ひとつ。 いかにもイライラした顔で壁に寄りかかりながら、 出来上がるのを待っています。 そして必ずレシートと領収書を両方もらって行きます。 本来、どちらもお渡しすることはできません。 前に一度お断りしたら、ものすごい剣幕だったので、 それ以来仕方なく両方お渡ししています。 たぶん二重にお店の経費で落としているのでしょう。 要するにケチなのです。 今日はその人が二回もクレームをつけに来たのです。 一度目は揚げ物が冷たいと言って。 二度目はお魚が冷たいと言って。 もちろん「申し訳ございませんでした」と平謝りするしかありません。 大きな声でキィキィと文句を言って、おまけに口調が怖いのなんの。 今思えば、おそらくお金を返金して欲しかったのだろうと思います。 その人がケチだということよりも、 性格と顔があまりにも一致していることに空恐ろしくなりました。 顔の美醜の問題ではなく、その人の歪んだ雰囲気や すさんだ空気が顔つきにしっかり出ていたからです。 口角はへの字に下がり、目は瞳孔が開きっぱなしのようだし つり上がっています。 あぁ、こうやって生きてきたからこんな顔になっちゃったんだなぁ。 まさしく反面教師の心境です。 そして、バイト先のパートさんたちは みんないい顔をしていることにも気づきました。 みんな明るくて楽しくてやさしくて、そういう人ばっかり。 目じりが下がっていたり、笑いじわができていたりします。 私がもっとずっと年をとって、しわしわでも、太ていても、白髪でも、 表情豊かでいい顔を持った人になれるような生き方をして行こう。
|
|