”BLACK BEAUTY”な日々
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Boogie
家内と息子と義母がタイのプーケットに行ってきた。大切な家族の海外旅行だから、たくさん楽しんできて欲しい思いと無事に帰ってきて欲しい気持ちで俺は留守番をしていた。
日本人の気質を表す言葉に「義理と人情」などが用いられれるが、タイ人の気質は「マイペンライ」という言葉によって表現される。
「マイペンライ」とは「大丈夫です」「どういたしまして」という意味が本来なのだが、多くのタイ人はこれを「まあ、いいじゃん」とか「気にしない気にしない」といった、極めて楽観的な意味合いで用いる。
このタイ人のマイペンライ精神が見事に開花したのが「バンコク地下鉄化計画」である。
バンコク市民の足は基本的には乗り合いバスなんだが、この街の交通渋滞はハンパではない。バス同士がすれ違う時、運転手が互いに顔見知りだったりすると、両バス共に緊急停車し、運転手同士が世間話を始めてしまう。 こんな日本ではあり得ない光景も渋滞の原因の一つになっている。
そんなこんなで、「バンコクに地下鉄を作って交通渋滞を解消しましょう」というプロジェクトが発足して、日本のODAは約2000ドルの開発援助を行った。
タイ首相はこれにいたく感激して、「必ずや2002年までに完成させる」と公言した。
ところが工事は一向に進まず、未完成のまま約束の2002年を迎えてしまった。
ここでタイ首相は何をしたかというと、テレビ演説で日本のみなさん、タイのみなさん、本当にごめんなさい」と謝っちゃったのである。
日本だと、工事の納期遅れは信用問題に関わるし、仮に完成が遅れたとしても多方面からのバッシングが予想される。
しかし、タイにおいてはその様な動きは皆無だったらしい。 まさに「マイペンライ精神」ここに極まれりである。
問題の地下鉄は2年遅れの2004年、無事に開通したのだが、やれ運行中にエンジンが火を噴いただの、犠牲者は出なかったが衝突しちゃっただの、トホホな状況が続いているらしい。
だけど俺はこの街が大好きだ。学生の頃から何度もここを訪れたが、何度行っても飽きることがない。
少しオーバーワーク気味の時など、バンコクの喧騒が頭をよぎり、旅情をかきたてられたりするもんである。
妻の土産はペンダントトップがクロスのシルバーのネックレスだった。
大切に使おうと思う。
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