またもや休日出勤の土曜日。 朝、 昨日飲みすぎてうすらぼんやりした頭を抱え、 すっきりと晴れた空を見上げた。
メールの行き違いは今日にも持ち越され、 彼女が淡々と振り返る前の彼氏とのエピソードに、 いちいち勝手に胸を痛めて。 彼は。 彼女を見る、照れた笑顔が印象的なナイスガイだった。 南国特有の濃い顔立ちに、鍛えられた体。 彼女もはにかんで、笑顔で寄り添ってた。 私の目から見ても、誰より幸せな二人。 鮮明に思い出せるシーンの数々は、 今でも、圧倒的な存在感で迫る。 卑屈な自分は大嫌いだけれど、 彼女と一緒にいるようになってどんどん自分に嫌気が差す。
今までの誰に対しても抱かなかった強い感情が、 彼女に対しては次々に沸いてきて、不安を加速させる。 距離感覚はゼロだし、コントロールも利かない。 暴発して彼女を呆れさせるし、時には傷つけても。
今の私は、数え切れない出会いの末の産物だし、 前の彼女との時間が確実に私を変えたのも事実。 でも、 ここまで自分を別人のように変えたのは、彼女なのに。 彼女は、 私の幸せそうな顔を見たことないと云う。 知らない誰かには、幸せそうに甘えてたんでしょう?と。
「ねえ、どうしたらいい? 不器用なりに素直に甘えてるのに。 あなたが知らないなら、幸せな顔なんて、他の誰も知らないよ」
喉の奥にしまわれ、 言葉は外に放たれないまま、くすぶり続けてる。
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