彩々

2004年02月23日(月) 変えられないものを受け入れるちからを

かけがえないものを失うとき、
同時に、
すばらしく尊いものを得るときがあるとするなら、
それは、今かもしれない。

大切な人が逝った。
注がれっぱなしの愛情に、幾度も救われた。
言葉でも、具体的なアピールでもなく、
そのたたずまいに絶対的な肯定感をもらった。
たぶん、
これ以上の愛されかたはもうない気がする。
しばらくは喪のしごとをしっかり務めて、
正直に哀しみと同居していこうと思う。

彼女に会った。
絶望的な喪失感に、
嗚咽がこみ上げてきて、しゃくりあげて、
吐くように泣いた。
彼女がただ、
黙って頭を抱えてくれたから。
もう、泣くことを止められなかった。

おずおずと不器用に抱き締める腕、
なぜか早鐘を打つ彼女の鼓動。
けっして、
どっしりとした安心感や
頼もしい言葉を与えてくれはしないけれど、
息継ぎなしで
泣きじゃくりながらも、
しばらくぶりに心底落ちついてた。
確か、何日か前までは、
心が離れようとしていたはずなのに。

わらっちゃうほど私の構造は単純で、
もう、ゆるゆるとかちかちだった心がほどかれようとしてる。


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喬(きょう) [MAIL]

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