生徒の1人に難聴の子がいます。 最近ピアノのめちゃくちゃ上手な難聴の方と知り合いになりました。 今まで知らなかった世界が開けてきました。 生徒とはもうすぐ1年の付き合いです。 でも、知らなかった・・・。
難聴の人は人間関係で苦労する。 意味がわかりますか? 私はこの言葉を聞いただけでは意味がわからず、 「何故だろう?」と思いました。
「え?もう一度言って。」 聞き取れず何度も聞き返す。 相手の顔が面倒そうな顔になる。 そこで、なんとなくわかったように相槌を打つようになる。 「なんだ、聞いてないんじゃん。ただ適当に相槌打ってるだけじゃん。」 と言われる。
後ろから声をかけられる。 聞こえない。 「無視するなよ!」と言われる。 補聴器をつけて面と向かってしゃべっていれば聞き取れる。 だから思わず相手が難聴だということを忘れてしまう。 そこでこんなことが起こってしまう。 補聴器は前の音を聞き取るようにできているので、 後ろからの声は聞き取りづらいそうです。
静かな場所では聞き取れる。 だから、普通に会話ができる。 ところが、ざわざわした場所だと相手の声が聞き取れない。 補聴器をつけているからといって、 なにもかも私たちの耳と同じように聞こえるわけではない。 すべての音を同じように拾ってしまう。 私たちの耳は必要な音だけ拾うようにできているけれど・・・。 たくさんの音の中から、大切な音だけを抜き出して聞き取るのは、 補聴器をつけている人にとっては至難の業。 「いつもは会話がスムーズなのに、 なんでこんなときだけ聞こえない振りするの?」 聞こえない振りをしてるのではありません。聞きとれないのです。
補聴器をつけているから会話がスムーズ。 だから、いつも聞こえているんだと思いがち。 でも違う。 私たちの知らないこと。 教えてもらわないと気付かないこと。 難聴の方と出会ったら、 是非この文章を思い出してください。
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