無責任賛歌
日記の表紙へ昨日の日記明日の日記




ホームページプロフィール掲示板「トーキング・ヘッド」メール
藤原敬之(ふじわら・けいし)

↑エンピツ投票ボタン(押すとコメントが変わります)
My追加


2005年08月20日(土) メイドさんがいっぱい/DVD『金庫室の富豪刑事』

 昨日の「水野晴郎ショック」で(笑)、あっちこっちのサイトを覗いて、映画の感想などを拾い読みしてみる。
 もちろん、マトモな映画好きからは酷評を食らっているのだが、こういうときほど「批評の有効性」というものについて考え込んでしまうことはない。本気で怒っている人も多々あるのだけれど、アノ映画に怒ってどうなるんだという気がしてしまうのね。
 面白かったのは、故・深作欣二が「三田佳子はどうしてオレの映画を蹴って水野晴郎の映画に出るんだ」と怒って『シベ超3』を見に行ったあと、「天然には勝てないな」と述懐したというエピソード。深作監督だってかなり天然が入ってる人ではあるが、その人にすらこう言わせてしまうというのが、マイク・ミズノ・フィルムのものすごさである。評価の埒外にある映画を評価することくらい徒労なことはないよ。
 映画にはそれぞれの「見方」があるんで、ピーマンにステーキの味を求めるのは見当違いも甚だしいということをこの日記でもしょっちゅう書いているのだけれども、視野狭窄な人間にはそのへんのことが全然分かんないんだねえ。誰ぞが書いていたが、これはもう「映画」として楽しむのは間違いで、『シベ超』という一つのジャンルとして楽しむのが正解だろうと思われるのである。
 ま、そういう見方をすれば『スター・ウォーズ』だって『スター・ウォーズ』という映画とは別物だと考えれば何も腹は立たないのだが。


 明治時代に製作されたと思われる(恐らくは現存する日本最古の)アニメーションと思われるフィルムが、京都市の旧家で見つかったとのニュース。これまで日本最古とされるアニメーションは、1917(大正6)年の下川凹天作『芋川椋三 玄関番の巻』とされていたので、それを更に10年程さかのぼる可能性があるという。
 もっとも発見されたのはわずか50コマで、ループ状にのりで繋いであったということだから、上映したとしてもせいぜ3秒。単独の映像作品というよりは、「驚き盤(フェナキスチスコープ)」のような、繰り返しの動きを楽しんだもののようである。
 記事を読むと、これが「日本最古」とされる理由は「製作方法や一緒に見つかった映写機の製造年代から」というから、根拠としてはかなり薄弱であるように思う。それに、『芋川椋三 玄関番の巻』は曲がりなりにもフィルム一巻をかけた「映画」であるが、それとこのタイトル無しのフィルムとを同列に扱うのには疑問が残る。
 もしかしたらこの程度の「オアソビ」としてのアニメーションフィルムなら、同時期には他にも結構あったのではないかという気がするのである。同様のものが今後発見されないとも限らない、いや、「そんなんならうちにもあるぞ」と言い出すやつが出てくることだってありうると思うのである。
 別にこの発見にケチを付けたいわけではないが、日ごろマスコミの「針小棒大」な報道姿勢には腹が立つことが多いので、正式発表がまだの段階でこういう大々的な報道をするのはどうか、という疑問を呈しておきたいのである。


 昨日か一昨日だったか、深夜番組を漫然と見ていたら、何かのコーナーで、「九州初上陸! メイドカフェ!」とかいうのを放送していた。
 天神のビルの一室で営業しているらしいのだが、場所は「まんだらけ」や「とらのあな」からも近いらしい。なんかどんどんあのへんがオタクスポットと化しつつあるな。
 ドアを開けて一歩入ると、メイドさんが「いらっしゃいませ、ご主人様」と出迎えてくれる。ここで即座に「主人モード」にココロを切り替えられることが、この店が楽しむためのコツなのであろう。
 メイドさんは口調がメイドさんなだけで、あとは普通の喫茶店のウェイトレスさんと特に変わったところはない。その点、いかがわしい期待はしちゃいけないよ。別にずっとそばにいてくれるわけじゃなさそうだから。
 食事はオムライスがお勧めらしいが、値段も700円前後で普通と言ったところだろう。ケチャップでオムライスの上に好きな文字を書いてもらえるそうで、そこでどんな字を書いてもらうかでオタクのセンスが問われるところだと思われる。間違っても「君の○○○○○○○○○○」とか書かせちゃダメなんである。
 開店してまだ十日ほどで、働いているメイドさんはまだそんなに多くないようだ。ルックスはどうかという点についてはまあかわいいんじゃないですか、と言っておこう。別に適当にごまかしているわけではなくて、思い入れのない女性の美醜というものは、私にはよく分からないのである。うちの劇団の女の子ならみんな可愛いと自信を持って言えるのだが(ヨイショ)。
 まあ、お客さんは(来てたのはだいたい二十代くらいの男どもだけである)メイドコスの女の子がかしずいてくれるシチュエーションが嬉しいんだろうから(レポーターの若い男は「萌え萌えー!」を連発していた)、スタイルとかご面相はそこそこでも充分なんじゃなかろうか。スカートは結構短い。本物のメイドはそんなにスカート短くないと思うんだが、やっぱそれがオタク仕様ってやつですかね。
 まあ、私はメイドさんにもコスプレにもたいして興味はないのだか、こういう店の存在は面白いと思う。需要がなければ供給もないわけで、オタクも二次元世界に閉じこもってばかりいるわけではなくて、こういう「コスプレ」とか「ご主人様とメイドの擬似関係」いう「クッション」があれば、ナマの女の子にアプローチもできるのだ、という見方もできなくはない。寂しいけどな。
 実際、どんなところか確かめてみたい気はするのだが、さすがにこの歳だともう無理がある。かと言って、劇団の男どもに突撃レポートを頼んで見てもなあ、誰に頼んでもそれぞれの立場でいろいろとイタい思いをして帰ってきそうでなあ。
 まあ、どこの何という店か知りたい人は、ネット検索で何とか探し出してみてくださいな。私も教えるにやぶさかではありませんが、そっちの方が手間がかからんで簡単に見つけ出せると思います。
 

 DVD-BOX『富豪刑事』。
 未放送シーンも含めた完全版、及び新作ミニドラマ『金庫室の富豪刑事』まで特典映像としてついているなかなかサービスのよいボックスである。ミニドラマと言っても各巻5分強、全5巻合わせれば30分にはなる堂々たるものである。長さだけは(笑)。
 放送終了後にキャストを集めたために、スケジュールが合わなかったのだろう、レギュラー出演者は深田恭子(神戸美和子)、山下真司(鎌倉熊成)、鈴木一真(猿渡哲也)、載寧龍二(西島誠一)の四人のみ。鈴木一真とか、どうやら現在はヘアースタイルが放送当時のカーリーヘアではなくなっているらしく、それを誤魔化すためかアフロのカツラを付けていた。違和感ありまくりである。
 お話の方は本放送に負けず劣らずの珍トリックで、「こんなもん、密室トリックなんて言えるかあ!」と卓袱台をひっくり返したくなるような、もはやギャグとして見るしか仕方がない、あまりにデタラメなものである。
 デタラメ過ぎて、つい説明してしまいたくなるが、それでも一応、ネタバレは避けてあげよう。殆ど小学生向けの「推理クイズ」の粋を出てはおらず(つか頓知クイズとか意地悪クイズに近いな)、そんな密室、警察が調べて気が付かない方がどうかしてるんである。
 ちなみに、被害者が残したダイイング・メッセージは、こんなのだ。
「足
 毛 園射」
 (足・毛で一文字、園・射で一文字。答えは一文字じゃありません)
 さあ、みんなも解いてみよう! (笑)  
 多分、このド手抜き脚本、書くのに一日もかかってないんじゃないかな。エンドクレジットには脚本家の名前が出てこなかったのだが、客から非難されるのを恐れたせいのように思えてならない。私はもう今更怒らんが(笑)。
 そのあたりの事情を勝手に憶測すると、脚本家がプロデューサーから「明日までに脚本書いてよ。キャスト集められるの明日一日しかないから」とか“撮影前日”に言われて、ふざけんなよとは思いつつも開き直って徹夜して、朦朧としたアタマでなんとか完成させたのはいいけれど、あまりにムチャクチャな出来になっちゃって、提出したあとで「しまった」と思ったけれども全ては後の祭り、せめて名前だけは消してくれと懇願した……とか、そんな事情じゃないのか。
 もしホントにそうなら同情し申し上げる。名無しの脚本家さんには、ミステリ映画史上「最もしょーもないで賞」を差し上げたいと思う。
 それにしても気が付いたら『下妻物語』のDVDも買ってしまっているし、これではまるでフカキョンのファンみたいである。いや、一応、『リング2』も『死者の学園祭』も『Friends フレンズ』もDVDまでは買ってないけど一応見てるし、役によっては使える人だよなあと思ってはいるのだが。年を取らないうちに『下妻物語2』を作ってほしいなあと思ってはいるのだけれど。


 DVD『ゴジラ FINAL WARS スペシャル・エディション』。
 何とかゴジラシリーズを全作見返せた。
何かと貶しちゃいるが、結構面白いシーンもあると思ってはいるのである。でもやっぱり北村龍平監督の自画自賛のコメンタリーを聞いてると、いちいち腹が立って仕方がない。やたら「このシーンはハリウッドでは受けた」を連発するんだけれども、当然、「日本では受けなかった」ことの言い訳である。案内役のアナウンサーが「でも日本人は感情を表に出しませんから、内心では面白がっていたと思いますよ」とフォローしてるんだけど、フォローしきれてないよな、これじゃ。
 北村監督の「昔のゴジラシリーズの特撮のいいところと、CGなどの新しい技術を合わせようと思った」という言葉は立派なんだけれども、それが「ただのパクリ」にしか見えないことに気が付いてないんじゃ、やっぱりこいつはダメだってことにしかならないのである。言うに事欠いて、「次は『ゴジラ FINAL WARS2』だ」とか抜かしてやがるぞ、こいつは。どうしてくれようって感じだよな。
 でも、海外サイト「IMDb」とか見てみると、この『FINAL WARS』のユーザー評価が全シリーズ中、ダントツで高いのな。アチラの連中が『ゴジラ』シリーズをどう見てたかってことがよく分かるね。
 映像特典の「スピリッツ・オブ・ゴジラ」のインタビューは必見。中島春男氏を初め、歴代ゴジラ役者を中心に、特技監督ほかのインタビューを織り交ぜて全シリーズを振り返っている。50年前の当時を知る人たちって、本当に中島さんを含めて数えるほどになっちゃってるんだよなあ。


 夜、CS放送で『.hack//SIGN』全28話連続放送。
 人気はそれなりにあったみたいだけれど、本放送の時には今ひとつ引っ掛かりがなくて見逃してたものである。ファンタジーかと勘違いしてたけど、バーチャル世界の御話だったのね。
 全体的になんだか『AVARON』のアニメ版、悩める少年少女向けバージョンって感じでどうにも辛気臭い。伊藤和典さんの脚本にしては、ありきたりで「流したセリフ」が目立っていて、アクチュアルな感じがしない。せっかくの貞本義行のキャラクターデザインも、アニメートされた途端にパターン化されしかもその種類も少ない表情ばかりになっていて、その魅力を失ってしまっている。
 つか、登場人物全員に「さっさと現実に帰れ」と言いたくなるアニメだ。最後まで付きあって、徹夜で全部見ちゃったけど、頭痛が痛い。だって、録画してもあとで見返すかどうか分かんないし(馬鹿である)。

2004年08月20日(金) そんなに世間は病人に優しくない。
2003年08月20日(水) びっるーのまっちーにがおー!/『金色のガッシュ!!』12巻(雷句誠)
2001年08月20日(月) クルーゾー再び/『パンプルムース氏のおすすめ料理』(マイケル・ボンド)ほか
2000年08月20日(日) 眠い日/『大江戸化物図譜』(アダム・カバット)ほか



↑エンピツ投票ボタン
日記の表紙へ昨日の日記明日の日記

☆劇団メンバー日記リンク☆


藤原敬之(ふじわら・けいし)