無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2005年08月26日(金) 優勝旗はどこで振られるか/『舞シールド21』(安永航一郎)

 またまた駒大苫小牧高校野球部長の暴力問題の続報。
 全く、一日一日、新しい展開を見せてくれることだね。
 学校と被害者の主張が食い違い、一時は泥沼化するかと思われていたのだが、今日になって学校側が改めて被害者である部員と父親に謝罪したことで、和解が成立した模様である。
 ネットでは事情もよく分からない段階から「お前らのせいで優勝が取り消されたらどうするつもりだ、いや、それが目的なんだろう」と勝手な決め付けで被害者を批判するようなことを書いていたやつもやたらいたようであるが、学校が初めから誠意ある態度を取ってさえいればたいした問題にもならなかったはずなので、そんなのが根拠のない憶測にすぎないことは、当初から気付いてなきゃおかしいのである。実際、被害者の父親は、「優勝取り消しなどにはしないでほしい」と明言している。
 私がフシギで仕方がないのは、日ごろは常識もあり、冷静な判断力を持ち合わせている人であっても、スポーツに絡む問題になるとてんでマトモな判断ができなくなってしまうことだ。野球もサッカーもラグビーも、やってる最中、応援してる最中は、脳内ドーパミンが出まくりだろうから、麻薬とまるで変わらんのだよなあと、イカレた方々を見るにつけ、嘆息を禁じえないのである。
 これでようやく学校側もこれまでの経緯を報告書にまとめられるようになり、高野連も審議会を開けるようになったわけである。同情論が蔓延している現状では、処分も軽くなりそうな気はするが、これだけ悪質な隠蔽工作を行った学校を実質無罪放免したりしちゃ、今後に禍根を残すことになろう。それを覚悟で世論に負けるようなら、もう高校野球から「教育」の概念は消えると断定していい。
 まあ、そんなもんは既に日本中どこを探しても見当たらなくなってるから、テキトーに放置しとけば? って意見にも一理はあるんだけれどもね。


 朝っつーか深夜、しげが急に「カラオケ行きたい」と言い出す。
 しげの「落ち着かない病」がまた始まった感じだが、私が「薬を飲み過ぎるな」と何度も言うので、禁断症状を抑えるために、別のストレス解消法を模索し始めたようである。
 こちらもそう体調はよくはなかったが、一人で夜間徘徊させるよりはマシだったので付き会うことにする。しげは私に「ブルーハーツ」も歌ってほしがっているようだった。
 さすがに徹夜は死んでしまうので、2時間だけの熱唱。耳でチラチラ聞いただけの記憶しかないから、『リンダリンダ』も『終わらない歌』も『TRAIN TRAIN』もみんなどこか音程が外れる。でも歌っても改めて思ったが、ブルーハーツは本当にどの曲もメロディーラインがよく似ている。何度か練習してみれば、確かに三日でそれなりのボーカルをこなせそうだ。
 ほかにもうろ覚えのアニソンを何曲か歌ったりして2時間終了。しげも気がすんだらしく、帰宅したらすぐに眠ってしまった。ただ安眠するためにしょっちゅうカラオケにも行ってられないので、何かほかにもいい手段を考えてほしいものである。


 夜、テレビで森田宏幸監督の『猫の恩返し』が地上波初放送。
 冒頭に「秘蔵映像」紹介、とあったので、何をやるのかな、もしかしたらジブリ美術館でしか上映していなかったアニメを放送してくれるのかな、とちょっと期待して見てみたのだが、流れたのは『そらいろのたね』『なんだろう』『On Your Mark』の三本だった。別にアニメファンには秘蔵でも何でもない映像である。でも、ナビゲーターの石川梨華と田中れいなは三本とも初見だったようで、「私、『なんだろう』の正面って初めて見たあ」とか「(『On Your Mark』の)この二人って、チャゲさんと飛鳥さんですかあ?」とか言っている。こういうオタク色に全く染まっていない初々しい姿を見ると、自らがすっかりヨゴレてしまったことを実感してしまうね。
 オタクはすぐに「一般人は知らないだろうけれども」と前置きして自分を特化させたがるが、知識があったって、それを運用する素養がなきゃ、そりゃただのウンチク垂れの知ったかぶりだ。いわゆる「サロンの馬鹿」というやつである。そこんとこに気付かないオタクや腐女子がやたら他人には興味のないオタ話を延々と披露して、自分だけ悦に入っているのだが、そういうやつがオタクの中でも一番「イタい」のである。みんな自戒しようね。
 久しぶりに若人あきらさん(笑)の顔を見たが、もう郷ひろみのモノマネは無理っぽい感じである。もちろんご本人もやる気はなかろうが、私は昔の芸風の方に親しみを覚えているので、がしゅういんなんたらという今の芸名にはどうしても違和感を覚えてしまうのである。カルシファーの声は若人さんの芸の一つに過ぎないのに、それだけに芸風が固定されてしまっているような印象があってね。横山千佐は声を変える前の方がよかったとか、そんな感覚だろうかね。

 映画の方はDVDも買っているし、今見返さなくてもいいのだが、放送されているとつい見入ってしまう。
 劇場で見たときにも、私はよくぞこれだけ正統的な「漫画映画」を作ってくれたものだと感動を覚えたくらいだったのだが、世評はあまり芳しくなかった。
 今回、この映画を初めて見た人は、「こんなに面白いのに?」と驚くことだろうが、ともかく「宮崎駿信者」が一番ハバを利かせていたころのことで、どうしても宮崎作品と比較をして、貶さなきゃ気がすまないといった雰囲気だったのである。
 「少女マンガだ」なんて批評はいったい何の文句を付けたいんだか訳が分からない。まさにこれは少女マンガの映画化だと言うのに。
フシアナ批評の最たるものは「宮崎駿のモノマネだ」というやつで、宮崎駿が『風の谷のナウシカ』以降捨て去ってしまった「古き良き漫画映画」の世界を、森田監督は見事に復活させてくれていたのである。
 作画面で言えば、ハルの背骨が今イチしっかりしていなくて、首の座りもよくない、ちょっとトシヨリ臭く見える演技の作画、これは宮崎作品のヒロインにはついぞなかったものである。こういうキャラクターは全然宮崎監督向きじゃないよね。
 『キネマ旬報』で、ヒョーロンカと称する連中は、森田監督の快挙を完全に無視し、その年のベストテンではただの一票も入らなかったと記憶する。批評家によって視点が違っているとは言え、興行収入一位を記録した映画がここまで無視されるというのは異例のことだ。何らかの偏見があったことは確実で、この愚挙は歴史上の汚点であると言っていい。
キネ旬子飼いのヒョーロンカどもは、映画の本質が何一つ見えていないのに「映画評論家」の看板だけは堂々と掲げているのだから、こういう羊頭狗肉のヤカラには天誅を下してやるのが妥当だろう。誰か簀巻きにして川ん中に叩っこんでやってくれ。

 再度見返した『猫の恩返し』は、スタジオジブリは今後、この路線の映画を作っていかなければ未来はないと感じさせるものであった。ジブリには実はディズニーのミッキー・マウスのように、そのアニメスタジオを代表し、「使い回しの利く」キャラクターがまだ生まれてはいない。「トトロ」は、短編での続編は作られているが、もともと世界が一作で完結しており、長編での続編は作りにくいだろう。何より、宮崎駿以外の監督にキャラクターを任せようがない。それは他の作品においても同様である。
 しかし、「バロン」は使い回しの利くキャラクターである。もともと『耳をすませば』の月島雫が書いた物語の登場キャラクターではないか。雫が、本当に童話作家になれたのなら、「バロンの物語」は、これからも「書かれ続けなければならない」はずなのである。「しばしのお別れ」のはずが、もう随分長く間が空いていないか。


 沖縄体液軍人会(安永航一郎)『そらからこぼれたすごい汁』『舞シールド21(おとな用)』。
 同人誌の感想書くのはこの日記じゃ初めてかな。しげが「とらのあな潜入」を嫌がんなきゃ、もっと早くにアレとかコレとか感想書けたとは思うけど。
 作者名義は「沖縄体液軍人会」で安永さんの名前はどこにもないが、ご本人だということはもう広く知れ渡っておられるので、書いても問題はないのだろう。前者は『カレイドスター』の、後者は『舞−HiME』のエロパロ本。と言っても安永さんまんまの絵柄で、オリジナルに似せる気は毛頭ないようだから、誰が誰だか、説明されなきゃよく分かんない。一応、『カレイド』も『舞』も見てるから設定が全然分かんないというところまではいかないが。
 『そらから』はカレイドステージを追い出された、そら・ミア・アンナが生活のためにエンコーする話。女衒役はミアである(ハマってるなあ)。みんないいとこに筋肉付いてそうだから商売は繁盛しそうだね。と言ってもこちらの方は一般向けなので、近いとこまでしか描かれてません。って近いとこってどこだよ。
 イボったりパクられたりロゼッタを騙してロリペド野郎に売り飛ばしたり、極悪非道の限りを尽くして、オチが「いま新たなステージの“膜”が開く」ってんだから安永さんの人を食ったギャグ魂は全然衰えてないのである。私はナニの最中にもギャグを飛ばすアンナの芸人魂に拍手を送りたい(笑)。
 念のため言っときますけど、これはマンガなんだから、世の中の健全な坊ちゃん嬢ちゃんはマンガのマネして本当にエンコーなんてしちゃダメですよ。でもって、そこの「ロリペド」とかの単語検索で覗きに来やがった変態糞野郎、出会い系にアクセスしてじょしこーせーを呼び出したりするようなことしてんじゃねえぞ。
 『舞』の方は、舞衣と楯が、「死ぬまでに一発やろう」という話。おとな剥け……いや、「おとな向け」なので、14ページ中、9ページはやってます。体位はまあ普通で、前から後ろからで三パターンくらい。そんなに複雑なものはなくてちょっと物足りないが、高校生があんまりテクニシャンでも不自然だしな(笑)。でも楯君、最初は「鬼畜ド変態プレイ」をやってみたかったらしいぞ。口で言うほどにはできんと思うが、一応、厨房の時に「剣道休んで一通りすましてた」とか。純情な楯君ファンの女の子は悲鳴を上げそうな設定だが、いまどきの台湾バナナよりぶっとい神経の腐女子にはこの程度のエロは全然平気か。
 どうして全ページやってないんだようと仰る向きには、「それがプロの矜持というものだ」とご説明しておきましょうか。やっぱりちゃんとマンガになってるかどうか、でもって余計なゴタク並べずにちゃんとエロになってるかどうか、それがこのページ数のバランスに表れてますですよ。
 エロは絵もともかく擬音も重要だと思う。ぐちょぐちょぬぷぬぷはありふれているが、今回、「ぬちっ」てのが個人的にはなかなかいいなと思うのであった。

2004年08月26日(木) 確かに人間、みんな「夢」は見てるけどね。
2003年08月26日(火) サヨナラの季節/『のだめカンタービレ』3〜6巻(二ノ宮知子)/『ホントの話』(呉智英)
2001年08月26日(日) アノ娘にもツバがついていたのね/DVD『2001年宇宙の旅 スペシャルエディションBOX』
2000年08月26日(土) 森の木陰でドンジャラ補遺/『金髪の草原』(大島弓子)



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