NORI-☆
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リアリストのパラソル
祖母が愛用していたからか、日傘というものは おばさま・おばあさまの持つもの、というイメージがあった。 若い人で持っているのは、よほどのお嬢様だというイメージもあった。 上品なワンピースに透けるような白い肌、 口を開けば「わたしく…ですわ」みたいな。。。 ってまあそんな人が実在するかは別として、 ま、少なくとも日傘なんて優雅なものは、 Tゾーンがテカるような女には無縁のものと思っていた。 ところが、そんな私も一昨年から日傘を愛用している。 紫外線対策とか美容上の理由で陽射しを避ける人は多いが、 私の場合、まず「頭が暑い」というのが最大の導入理由であった。 だって、暑いんだもん(^^;) 自宅も会社も駅から徒歩15分程度の距離にあり、 しかも会社では、同じく徒歩15分圏内の複数のビルに分散する 社内各部署と連携して仕事を進める関係上、 会議や打ち合わせのために日中ビル間移動をすることが多い。 「午後一」に1時間の打ち合わせがあれば往復とも炎天下の移動となり、 往きの15分の照射で十分ダメージを受けて、 午後いっぱい頭痛とともに仕事をがするのが常だった。 頭を直射日光から守るための方策であれば 帽子でももちろんかまわないのだが、 カジュアルとエレガントの両極が主流である日本における帽子というやつは、 会社向けの服装とはいかにも似合わない感じがする。 それに、訪問先で帽子を取ったときの見てくれの悪さを考えると、 やはり帽子通勤というのはかなり勇気がいるものである。 帽子はちょっと…でも頭が暑い。 この悩みを解決するのが日傘であった。 着脱自在で服装との対応も帽子ほど厳しくなく、 もちろん髪型も崩れないし、頭に汗もかかない。 さらにいえば、やっぱり帽子に比べて作られる影が大きいので、 木陰を歩くに近い涼感があり、首だの腕だのの日焼けも防げる。 (最後の利点は二〇代のころにはなかった発想なのだが…(^^;)) かさばることと片手がふさがることを除けば、 究極の日除けグッズと言ってもいいのではないか。 しかし、とはいえやはり「日傘はお年寄りかお嬢様のもの」 というイメージはかなり自分の中で根強く、 またスーツを着た男性と肩を並べて日傘をさして歩く、 というところにビジュアル的な抵抗があり、 構想から導入までは1シーズンを要した。 が、一昨年ついに導入に踏み切ったのは、 妊婦となりつわりの最盛期に夏を迎えたことが大きい。 とにかく少しでも楽に暑さをしのがないと、 体力的にどうにもならないと悟ったのである。 また、そういう状況であることが周囲にも理解されたので、 日傘をさして独り保身を図っても 顰蹙を買わないだろうと踏んでのことである。 (それでもやっぱり、課長との外出で初めて日傘を広げたときには、 「なんだぁ?(^^;)」という目で見られ、かなり恥ずかしかったけど) そんなこんなで、悩みとためらいの果てに使い始めてみると、 やっぱり思ったとおり、いや、想像以上に快適なのである。 自前の日陰を常に持ち歩けるということは、 想像以上に精神的な余裕をもたらすということがわかった。 要するに、矢玉が飛び交う中を丸腰で歩くのと、 ヘルメットと盾をもって歩くのとどちらがいいか、という話である。 なんと言っても、日本の夏は年々暑くなっているのは事実なのだから、 防衛手段をもつに越したことはないのだ。 すっかり日傘を持って歩くことに抵抗がなくなったばかりか、 その効果に絶大な信頼を寄せている私は、 最近では同行する男性に「日傘いいよ〜」と薦めたりしているのだった。 #先日A新聞の投稿欄に、男性にも日傘を、という男性からの意見が載り、 #我が意を得たりという気分。そうだよね〜男だって暑いよね〜! #…って実は、頭頂部が薄いとさらに直射日光は厳しいのだそうだ(^^;)) 雨の日には誰もが傘をさすように、 陽射しの強い夏には誰もが日傘をさせばいいのだ。 そのうち若い世代を中心に、男性用日傘が流行ってくるんじゃないかな、 と密かにトレンド予測をしている今日この頃である。 #まあ、その前に、日本男性の夏の仕事服が背広にネクタイという常識を #廃止する方が急務だとは思うけれど。。。 #背広やめて半袖の開襟シャツで通勤するようになったら、 #オフィスの冷えすぎは絶対解消すると思うし、 #地球環境対策にも絶対有効だと思うんだけどな。。。 それに、導入を決意して傘売り場に行ってみてわかったのだが、 昨今の日傘のデザイン傾向は、 「おばさんかお嬢様」のイメージからの脱却を図っているらしい。 同じ綿レースでも柄やカットが「脱おばさん」しているし、 脱レース、脱フリルでシャープな印象のものもたくさんある。 色も柄も素材も形も、豊富な選択肢が揃って、 好みのものを探す楽しみも十分あるのだった。 …というわけで、すっかり日傘が手放せなくなった今年の夏は、 服装に合わせてコーディネイトできるように ちょっと違うタイプのセカンド日傘がほしいなぁ…と思っている。
2001年07月02日(月)
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