第七話 〜生みの親・そしてもう一人の住人〜 - 2003年08月04日(月) 生みの親。 それは、私達のもう一つの住家である この場所を見つけてくれた人。 一番初めの住人である私も、この人がいなかったら こうして今ここにいない。 私はこの彼女を親友だと思っているのだが、 付き合いとしては16歳からなので まだ16年しか経っていない。 生まれてから出会うまでの時間とようやく同じになった。 今までその彼女とは喧嘩をした事がないし、 しばらく会っていない時期もあった。 けれど、これほどまでに身内以外で 私という人間を信じてくれている人はいないのではないかと思う。 この住家も、彼女がたまたま下でやっていた駄菓子屋に来た時に見つけた所だ。 ボロボロではあったのだが、ピンときたという。 そして、すぐに私に連絡をくれたのだった。 「すごくいい場所見つけた!」 「naomiなら素敵な店にできる!」 そう言ってくれた彼女。 こうして、それから半年も経たないうち この場所は誕生した。 初め、彼女はここを一緒にやるくらいの勢いではあった。 ところが、それと同時にお腹に子を宿した。 ただ見守るだけにはなったが、常に彼女は私の喜びと同じ量で 楽しみ、喜び、時には心配もしてくれている。 あれほど気性が激しく、大胆な行動を取る彼女が 夫であるあの人と出会ってから、不思議なほど柔らかくなった。 一度の喧嘩もなく、ただの一度たりとお互いキライになった事がない夫婦。 先日そんな彼女と 不幸な事件が多くなった・・・ などというやりとりをしていた時の事だ。 「世の中に対して不満だらけな人達に、あなた達を見せてあげたいよ」 そう言った私に、こんな返事が返ってきた。 「私は愛する旦那と子供と友達だけが自慢なんだ」 キレイ事では無く、彼女の本心からの言葉だった。 私はなんだかジンとするものを感じた。 そう・・・ 愛する人に囲まれているだけで充分なのではないだろうか? 確かにそれ以外あるのだろうか? 信じあえる力とは、これほどまでに人を強くしてくれる事があるだろうか? 『それだけ』というのを楽しそうに言える彼女。 愛は本当の心を満たしてくれる。 そう教えてもらっている気がした。 今日、その最愛の息子の二歳誕生日だ。 生まれる前から彼もここの住人。 私とは一番目の住人の座を争う仲、ということになるのかもしれない。 天使くん 生まれてくれてありがとう。 私が愛す、彼女を幸せにしてくれて。 Happy Birthday to you♪ 私も君と同じくらい彼女ら家族を愛すよ。 これからもずっとね・・・ -
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