詩のような 世界

目次


2005年11月09日(水) 白い生命線



巨大な穴を開ける 午後

滴るマニキュアは 磯の香り

暗くなる前に出かけましょう

始まりは すぐ終わりになるのです


灼熱地獄を懐かしむ11月は

何を迎えるために過ぎるのでしょうか

新しい靴は 小さな家を買えるくらい高価

一心同体のわたしは 影


あの飛行機雲は太すぎて奇妙だと

誰かに教えたくて右と左を探しました

影も形もないとは このこと

前と後ろには興味がわかず


わたしも線を描きたくなり

待ち人のことは頭から吹っ飛び

あの雲よりも白いチョークを求めることだけ

だけです


恐れる必要はありません

命を失ったように冷たくなったアスファルトに

叩きつけてゆく 白い生命線

つながってゆく 影と影が 


疲れきり 倒れこんだところはベッドの上でした

ぷかぷかと気持ちよく浮いている夢を見ながら

最後の人は 最初の線と結んでくれたか 

ふと心配になりましたが そのまま夢に沈みました



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