詩のような 世界
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僕はいつも笑っている
それは
この人も、あの人も、笑っているから
真似をしているんだ
理由はそれしかないんだ
僕はあんまり泣かない
それは
この人も、あの人も、泣いていないから
もし彼らが陰で涙をこらえていたとしても
僕は悲しむ真似しかできないだろう
窓の外をぼうっと見ているとき
本当は景色など目に入っていないんだ
遠くにいる、いや、いるかいないかもわからない存在に
ちょっとだけ呼びかけてみている
もちろん返事は返ってこないけれど
そして静かな空に白い1本線が走っていたら
ラッキーだなぁと口に出して
また僕は戻っていくんだ
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