詩のような 世界
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先日
お届けした手紙は
あなたの目に触れなかったようなので
わたしの心の中で焼却しました
そんな灰は幼い頃から降り積もり
季節に関係なく
まるで粉雪のように
この冷たい体に舞い落ちるのでした
天を仰げば
暗闇は永遠に終わらないと
真昼の月がおしえてくれます
どうしようもないのだと、言わんばかりに
わたしは逆らえず
時の線を従順にたどってしまいます
叫びは言葉に変換され
また届かない手紙となって
葬られるのを待つのでしょうか
だいぶ前のことですが
小さな女の子は
小さなポストをのぞき込みました
毎朝、毎夕、欠かさずに
数年ほどそれを繰り返すと
女の子はポストを無表情で見つめ
スカートのポケットから灰を撒き散らしながら
どこかへ走っていってしまいました
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