詩のような 世界
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この両手いっぱいの
壊れてしまった欠片が
夕方の涼しい風に乗って
上へ上へ
召されるときがくるのでしょうか
君の笑顔がいつしか陰るようになったのは
僕のせいかな?
思わず口にしたら
僕が笑わなくなったから
と君はこっちを見ずに答えた
灰色と黄金に輝く雲が
ぶつかり合いながらも混ざっていった
空はなくなり
複雑で奇妙な天からは
ミントグリーン色の雨が降り注いだ
君のやわらかな髪の毛を濡らし
僕の熱くなった頬から滴り落ち
この両手いっぱいの
壊れてしまった欠片
傷つけられても
こぼさないように
忘れないように抱えてきたけれど
夕方の涼しい風に乗って
上へ上へ
広がり始めた夜の中で
ぽつぽつと現れる星に
星になったらいいな
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