やくざ風味の日記
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2006年10月20日(金) カッコ悪い恋って胸キュン?!OLのおねーさん好きです!!

北崎拓の描くオムニバス恋愛漫画『クピドの悪戯』
第1章「虹玉」編が終了し、(結局むっちゃんと麻子がバカップル夫婦となった)新たにスタートした第2章「さくらんぼシンドローム」。


主人公である阿川は25歳の平凡な会社員。
女性上位の職場で「ヘタレだ」なんだと言われながらも、なんとなく日々の労働をこなし平々凡々に毎日を過ごしていく。
当然恋人もなし。
職場になんとなく気になる先輩(年上の上司)もいるが、今一歩踏み切れない。
そんな彼の前に現れた謎の少女(高校生位にしか見えない)レナ。
彼女は主人公に言う。

「私を助けてください。」

なんのことだか分からない主人公。
何だ、この娘は。
友達と賭けでもして罰ゲームにでもしにきたのか?
当然の如く疑心暗鬼の阿川。
しかし話しかける少女は必死で……
とてもからかいに来たとは見えない。
とりあえず話を聞いてみることにした阿川。
そして少女は語り始めた。
少女がかかった奇病。
「体がどんどん幼くなる」病について。



クピドシリーズ、第1弾は如意棒からドラゴンボール(七つの玉)がでる奇病でしたが、今度は体が幼くなる奇病です。
タケからメールでこの作品の話題が出たんで、とりあえずレビューして見ようと思って書いてますが。
実はこの作品。「虹玉」の時より真面目に読んでないちゅうか、読み飛ばし気味というか…つまり注目してなかったのですよ。
なんでかっちゅうと、ズバリ主人公。
むっちゃんほどの魅力が阿川君にはなかったのですよ。
むっちゃんは未熟で不器用で恥ずかしいところのある野郎でしたが、しかし彼はがむしゃらで熱血君でした。
想い一つでぶつかって行って、玉砕して、傷ついて。
だが…すばらしい!!(幸四郎風味に)
それに比べて、阿川君淡白すぎっちゅうか、煮えきらんちゅうか、ぶっちゃけキャラ薄いなーーと思ってた。
だからなんか作品として魅力を感じず、ペラ読みしてしまっていたのだ(ぶっちゃけ話の筋よく分からん部分がある。忘れちった)…つい最近までは。
それが変わったのは第1部完結2話前である。


いろいろあって取りあえずは少女の言葉を信じる気になった阿川。
少女は自分を助けるとおもって自分とエッチしてくれという。
何か少女の言葉にイライラさせられる阿川。
少し脅してやろうと思い、少女をラブホテルに連れ込み、強引に迫るふりをする。
しかし、少女は抵抗するどころか泣きながらこういった。

「エッチしてもいいし、好きにしてもいいから…だから助けてよ…」

その言葉が引き金になって阿川が爆発する。

好きにしていいだと!!
ふざけるんじゃない!!
そういえば男ならみんな喜んで抱くと思うのかよ!!

今まで、なんとなく話をあわせ済ませる男のイメージだった。
都合の悪いときは作り笑いを浮かべ、話をあわせやり過ごす男のイメージだった。
あわてない、むきになったりしない、どこか冷めてるそんなイメージだった。
しかし、その阿川が声を荒げ、顔を不細工に歪ませ、少女に怒鳴りつける。
むきになり。
見苦しく。
身勝手に。
そんな阿川の頭に浮かんでくるのは昔の思い出。

彼女の部屋のベットの上。
これから愛し合おうとする時に彼女の口からでた残酷な言葉。

「私…好きな人できたの。最後にもう一回エッチさせてあげるから…別れてくれる?」

裸になり好きにしてというレナの姿に嫌でも思い出される昔の彼女の姿。
ひとしきり怒鳴りつけた後、それは八つ当たりだったことに気づきレナに謝る阿川。
そしてこぼれ出す自分の過去。
昔の彼女との別れを思い出して怒鳴りつけてしまったこと。
そしてそれ以来、本気で誰かを好きになる、本気の恋ができなかったということ。
なんとなく相手を選び、なんとなく相手に合わせ、なんとなく始まるなんとなく終わる恋愛。
傷つくことはない。
だって本気じゃないから。
しかしレナを見ていて阿川は気づく。
自分の心の一番大切な部分を高校時代から置き去りにしていることを。
自分はあの時彼女に何を言いたかったのだろうか。
「ふざけるな!!」と怒鳴りつけたかったのだろうか。
「最低だな!!」と罵倒したかったのだろうか。
違う。
本当に伝えたかったのは、その時彼女のことが本気で好きだったということ。
そんなこといわれても、気持ちは変わらず。
好きで好きで別れたくなくて。
そんな気持ちをその時彼女に伝えることが出来なかった。
なぜなら、傷つくのが怖いから。
口に出さなければ、縋りつかなければ、壊されることがないから。
では、それで救われるのか?

砕かれてしまった恋心は辛い。
傷痕として残ってしまうかもしれない。
でも、終止符は打つことができる。
じゃあ、置き去りにされた恋心は?
傷つくことはない。
だけどいつまでもしこりとなって残り続けるだろう。
それは逃れられない呪縛のように。

阿川はレナにつぶやく。
重大にしか見えない少女に縋るように。

「自分は…その時、本気で恋をしていたんだ。なによりそれを伝えたかったんだ。」

自分の恋する気持ちは高校生のときから止まっていると。
そしてそのことでここまで傷ついてる自分がいると。
レナも追い詰められているかもしれないけど、もっと自分を大切にしてほしいと。
月並みな言葉だが、無様に顔をゆがめ泣きながら語りかける阿川の言葉はレナに届く。
ホテルから出た二人は別れる前にキスを交わす。
恋人としてではない。
同情や契約としてではない。
お互いをさらけ出しあって日の記念とでもいうか。
親愛の情のキス。
しかし、そのキスはレナの体に変化を与えたようで。
有頂天で別れるレナ。
それを見送る阿川は何かが始まった気がするのであった……



てな感じでさくらんぼシンドローム第1部終わったわけですが。
……一言。

阿川!!すっげーーーーー気持ち分かるぞーーーー!!!(ブラボーおじさん風に)

なんか、自分の2年前オーバーラップしちゃったぜよ。
やくざ風味はこう考えてました。
人の気持ちは代わるものだし、もし恋人に自分より好きな人ができたり、恋心が冷めたなら、それが別れ時だと。
変わった心繋ぎとめてもしゃーないと。
事実、大学時代なんかはあっちに好きな男が出来ただの、このまま付き合えないだのいろいろ別れ話でたし、このやろーとは思いつつも、受け止めてきたつもりはある。
しかし、2年前の時は効いた。
自分なりに一番ハマってた自覚はある。
別れたくないとすがり付こうとも考えた。
でもできなかった。
なんか、嫌われるのやだったし。
傷つけられたくないのですよ。ホント。

そんな気持ちをさらけ出し、年下の少女に絶叫する阿川君は最高にカッコ悪く、最高にカッコ良かった。
その言葉は最高に陳腐でありふれていて、最高に重く胸に響いた。

やるな!北崎拓ぅ!!

つーわけで、熱血化運動開始した阿川君。
さくらんぼシンドローム、これからが見ものですバイ!!





追伸
最近、アネゴの日記が停滞してるなあ…元気にしとるだろうか。
マー君とも連絡取れてない。
なんか忙しいみたいで連絡しずらいのう。
まーくんや、元気なら連絡くり。


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