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ジェイソンのアパート - 2007年05月08日(火) 日本に行く予定だった2週間の休暇も今日でおしまい。ICUスペシャリストの国家試験、金曜日に受けて来た。だめだ。絶対。80パーセント取らなきゃ受からないのに、60パーセントくらいしかカンペキに正解出来なかったと思う。絶対だめ。休暇を犠牲にして勉強したのにサイテイ。試験が終わってから2、3日、失恋したみたいに痛かった。初夏みたいな日差しのなかラテンミュージックと人ごみにごったがえしたこの街を歩いても、プエルトリカンのレストランで大好きなサフランごはんとチキンをテイクアウトして食べても、ピアノを弾いても教会に行ってもジェニーとショッピングに行っても、胃の奥の方がずっと痛くてほっぺたの内側の筋肉が麻痺したみたいで、夜になると泣きそうになった。 「失恋したみたいな気分だよ」って言ったら「試験くらいでそんなこと言うなよ」ってジェイソンに言われた。 昨日はクラリスのブライダル・シャワーに行って楽しかった。7日だったし休暇が今日でおしまいだからそのあとジェイソンが来てくれるかなって思ってたのに、来てくれなかった。それでまた鬱いでたら、今日ジェイソンがジェイソンちに誘ってくれた。 買い物を済ませてジェイソンちに着いたときには、初めて履いた超ハイヒールの白いつっかけがわたしの足を殺してた。「These shoes are killing me」って、わたしは裸足になって靴を手も持ってアパートの階段を登る。「見るからに心地悪そうだよ」「でもかわいくない? 試着したときにすでに履き心地悪かったけど、かわいいから買ったの。かわいくない?」「かわいくない。僕のタイプじゃない」って笑われた。 ジェイソンのアパートは仕事用のポスターのロールが山のようにいっぱいでまるで倉庫みたいだけど、好き。とてもくつろげるような場所じゃないからって招いてくれたことなくて、ずうっと前にお手洗い借りに行ったことがあるだけ。「こんなとこだよ。狭くてごちゃごちゃしてて、とても人が住むようなとこと思えないだろ?」ってジェイソンは言ったけど、あのときも好きだと思った。キッチンもバスルームもとてもニートで、山のようなポスターのロールも無造作じゃなくきちんとオーガナイズされてて、ジェイソンらしいと思った。 今日はそこでいっぱいおしゃべりして、たくさんポスターを見せてくれて、いっぱい抱き合ってたくさんイッて、またいっぱいおしゃべりして、わたしはまた苦しい靴を履いて、バスに乗って帰った。階段をたくさん上り下りする地下鉄より、バスの方が楽だから。 休暇の最後の日がその日らしくなった。 明日からまた仕事。やだけどしょうがない。 でも明日の夜、ジェイソンが来てくれる。夏物の靴の箱と夏物のスカートの箱を、クローゼットの上の棚から降ろしてくれるって。このあいだ自分でしようとしたけど、あまりにも重たくて出来なかったから。あんなもの抱えて梯子を登ってよく自分で棚に上げられたなと思う。「近いうちに」って言ってたけど、明日来てくれるなんて期待してなかった。嬉しくて「ほんと?」って叫ぶ。「ねえ、じゃあそれからクラリスの結婚式に来てくドレス選んでくれる?」。新しいドレス買わないことにしたから、持ってる中から選ぶことにしたけど決められなくて困ってた。センスのいいジェイソンに選んで欲しいって思ってた。「いいよ」ってジェイソンは嬉しそうに答えてくれた。ジェイソンは写真家だからきっとそういうの好きだと思った。クラリスの結婚式が一段楽しみになった。 いつか誰かの結婚式に、ジェイソンと一緒に行きたい。ジェニーの結婚式かな。いつのことだかわかんないな、それ。 それから、またジェイソンのアパートに行きたい。 -
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