一年はあっという間。
何も変えられないまま、また時間を流すように過ごしてしまった。
他人を思えば、緩やかな言葉しか使えなくなって、 断定が怖くて、仮定の話しか出来なくなった。
世の中の大半は思い込みだと知った。 奇跡の瞬間は、本当に刹那に短くて、 気付いたときには消えてゆく。
雲のような話。
強い断定は、自分に対する強い意志。 本当にそう在りたい時には使う。
でも。
想像の為の言葉も、脳を固定するパーツも、最近は見つからなくて。
身体の中の。海と空の境目も無くなって。 悠久果てなく。広がる、体内のスープ。
以前は、この身体に浮かぶスカイラインに 散らばる言葉を渡るのが好きだったけど。
今は、それすらなくなって。わりと即物的。 この脳の。指示に従わない。身体を左右に分ける。
この海を渉る。
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