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2005年03月13日(日) 夕暮れ時に隣町へ行く

夕暮れ時に隣町へ行く
車の列に水銀灯が瞬きをする

鉄塔 赤い点滅
まばらに、高層マンション

薄紫と水色
波のかたちの曇り空
オレンジジュースを薄めていく
地上に近いあたり

こうして夕暮れ時に車にのっていると
風景の大部分が
空に飲み込まれていくのと同じように

目的も、手段も
移動に満たされていく
仕事も、趣味も
また然り
移動に飲み込まれていく

水銀灯の丸い光

子供のころは
未来は、こんなふうに
ツルツル丸くてテカテカに光っていた
今、こうして夕暮れ時に車にのっていると
やはり未来は、ツルツルで、光っていて
胸の奥が
不思議にからっぽだ

そして
ヘッドライトの先端が
優勢になるころには
三月の、夕暮れ時の気持ちは
だんだんぼやけて
とらえどころがなくなって
車は隣町に到着する


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