遠雷

bluelotus【MAIL

クリスマス
2005年11月02日(水)

イベントになにかをするということがあまり好きでもなく、苦手でした。バレンタインに手作りチョコをあげることもなく、クリスマスにレストランでディナーをとるわけでもなく。ふたりとも、そうでした。

それなのに、テレビを夜中一人で見ていたとき、デパートでクリスマスのディスプレイがはじまったというニュースに、突如涙がでました。そのように涙がいきなり溢れて来るというのも久々で、それもこのようなことでと不思議に思いながら、しばらくのあいだ漠然とした悲しさ、寂しさを感じながら泣いてしまいました。

手をつないでイルミネーションの街を歩きたいとか、プレゼントの交換をしたいとか、そういうことでもありません。ただ、クリスマスはもうすぐやってきて、そのころにもやっぱり彼はいない、それが寂しかったのです。生き返るわけでもないのに、今すでに居なくなって1年以上もたつというのに、未来にHが存在していないということを改めて感じ、ただただ悲しかったのです。

もし彼との時間を再び与えられるなら、恥ずかしがっていたようなことや、クリスマスを一緒に過ごすことなどを何のてらいも無くしてしまうでしょう。Hが望むなら手作りクッキーでもチョコレートでも何でも作りましょう。Hが恥ずかしがって嫌がったとしても(それは考えられませんが)。

私としては、クリスマスよりも年越しを一緒にしてみたかったと思います。いろいろ重なって一度も機会がなかったことが非常に残念です。カウントダウンの馬鹿騒ぎをしたいわけではありません。静かに新しい年を迎える時間を、ただふたりで一緒に。



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