ずっと伸ばし続けた髪を切りました。 なんどか毛先を落としたりしたものの、あまり切ってはいなかったので何だかんだで腰に近いくらいの長さでした。 ずっと短かったわたしが伸ばし始めたのは、直接の原因は彼の触れた部分を残しておきたかったから、でした。 もちろん、さすがにもう残ってはいないでしょうから、ただの感傷だとはわかっています。 それでも何となく切れないまま、ずるずると伸ばし続けていました。 切ったのは、いいかげんボサボサだったとか痛んでいるとか即物的な問題でもありますが、新しい道を模索して準備して、もう一段階違うステップを踏み出そうとしている時期になったからです。 軽くなった頭で(体重は増えたものの)少しは身軽に歩き出せるといいのですけれど。 ただ、感傷で「あのころ」を残しておきたかった筈だったのに、髪を切って短くなった事によって、長い髪で少し落ち着いた見かけになっていたのが「あのころの自分」に少し戻ったかのように若くなったのは、少し複雑な思いです。 一方で若々しく見えるようになったのを喜べるような年代になってきたのだということも身にしみます。 彼がいた頃は、若く見える事が別段うれしくもなかったのに。 でも彼も若く見える方だったから、さすがに今「あのころ」の彼と並んだら、わたしはすごくオバさんにみえることでしょう。 一緒に年を重ねていっていたら、彼はどんな風に変わっていたのでしょうか。
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