書泉シランデの日記

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息子の友だち
2006年05月04日(木)

息子の小学校時代の仲良しグループの女の子が、この春、専門学校を出て就職した。イタリア料理店で勤め始めたのである。そこで、息子は同じグループのI君を誘って、男2人で彼女の店へと足を運んだ。(女の子を誘えないところが悲しー。)

「Tちゃんの店、どうだった?」
「どーってことないフツーの店。」
「Tちゃん、フロアにいたの?厨房にいたの?」
「厨房でせかせかしてた。」

レジのときに友人であることを告げたら、厨房にいるのを呼んでくれたそうだ。「来てくれたんだ〜」と嬉しそうだったというので、なにやら私もほっとした。

I君は法学部の学生で、息子とは保育園、小学校と一緒だった。そのI君の話を聞いて、いまどきそこまでしっかりした、真面目な学生がいるのねえ、と感心してしまった。法曹界をめざしてダブルスクール、したがってアルバイトの暇はなく、小遣い僅少。実家にいながら、共働きの両親に代わり、早く帰れた日は夕飯の炊事をする。今日も帰りに「ドイツパン買おうぜ」(←家族の分)、しかも映画を見損ねたら「代わりに献血して帰ろう」。

「大学の女子は『カワイー』としか言えない馬鹿ばかり」とまで言うそうで、そこまで聞くと、おばさんは「I君って高校のとき浮いて苦労したんじゃないの?」とお節介を焼きたくなる。大体、うちの息子にせっせと真面目に人生を語ってくれるだけでも、かなり珍しいと部類ではないか。一体、うちのオタク天然息子はI君に語るような話題を持っているのだろうか。

「Iは高校のとき、ちょっとイギリスへ行ったんだよ。それでいろいろ考えたらしいよ。」

本当にそうなら、うちのもイギリスへでもフランスへでも送り出したいくらいだ。

誤解のないように付け加えれば、I君は決して一方的にしゃべりまくるほうではないし、むしろ慎重なタイプである。たぶんボソボソしゃべったんだろう。さらに想像すれば、中学以降、学校が離れて、息子とI君は日常を共有できる環境ではなかったから、かえって正直に話ができたのかもしれない。理由はどうあれ、本音を語ってくれる友達があることはとても幸せなことだ。本音をいうと敬遠されがちな今の風潮って絶対よくない。先々どうなろうと、若いときには本音を分かち合うことが何より大切。刺激を与え合って、一緒に育て!明日は子どもの日だ!

それに、大学以降、新しい友だちは同じ世界に限られてしまうから、調理師になったTちゃんや看護師のYちゃんが仲良しグループにいるということもありがたい。今更親が顔を出そうとは思わないけれど、心の中ではコレカラモヨロシクネと祈るばかり。



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