『庭の話』

目次前へ次へ


土中の世界。



★春の日陰庭


去年の夏頃、雨の日 幼稚園から息子を連れての帰り道。
見れば道端に何かが激しくのたうっています。それはでっかいミミズでした。
余りにも太く長い贅沢な一品ですが、どう見ても やはりミミズ。
このままにしておけば、明日には大き目の干物がこの場に晒される事になります。
実に惜しい。夏場には よくある光景ですね。
私は息子の了解を取り、それをつまんで車に乗せることにしました。
助手席の足元に置かれた大ミミズ。

家に着くと早速、良い場所を探してミミズを放しに行きました。
日本しゃくなげの根元のちょっと日陰になる辺り。
ミミズは激しくのたうちながら 土に潜って行きました。

花の上にも虫は居ますが、地上や空中は まだ何とか解る世界。しかし
土中の世界は別世界。ミミズは中でもポピュラーなメンバーです。

「・・・・・・??」
何だか判らない色と形の虫がぴくぴくしています。余りに繊細な色と形は
害虫とは思えません。きっと土中の無害な住人なんでしょう。
良く判らないまま、取り敢えず 埋め戻します。
コンテナガーデンに使う土は花屋さんで買えば虫の居ない物を買えますので
土中の気味悪い虫には遭わなくて済みます。バーク堆肥などを庭中に撒くと
有機質大好きな連中が増えるので、以前書いたタカラダニなど 思わず
うわぁっと驚く、虫や生き物がやって来ます。

土中には見えない土中細菌も沢山済んでいて、手袋をしても。爪の隅まで
手をごしごしと長い時間掛けて洗っても、何処かから入っちゃう事がある
らしくて、一度 指が曲がらなくなりました。痛くて。
一時的なものなんですが私は破傷風の接種も無かった時代の人間だし
一応、今は 介護手袋の上から軍手で作業をしてます。
雑草真っ盛りの今時期は、本当なら一日中でも抜いていないと駄目なんですが
2時間も庭に居ると鼻水が。


今日は、休眠後は 毎年裏庭で越冬させるキャンデータフトが 一斉に蕾を
付けたので 正面玄関に植え付けました。すると早速、大ミミズが登場。
一時的に脇の土の上に置いて作業を終えると 居なくなっていました。
土に潜ったに違いないんですが、一応側にいた息子に
「ミミズ知らない?」 と訊ねたのが間違い。息子は近所中に響き渡る声で
「おばあちゃ〜ん。お母さんがミミズ無くしたって〜」と叫びました。
最早、恥ずかしいを通り越して ご近所に嫌がられないか心配。


管理人 焙煎 |午後からガーデン