D線でとるGの音に共鳴して、 オクターヴ低い隣のG線まで、震える。 ただしそれは、D線でとったGが寸分違わぬ音程のときだけ。
そのときの楽器の鳴りといったらたまらない。
っくぁーヴァイオリン素敵。 生きてるの?
いつも裏板まで震えるような音で弾けるようになりたい。
『誰かとずっと一緒にいたい』 と思うようなことは、あってはならないと思っていたのに。 理由は忘れたけれど、そういう感情を私は嫌悪していたはずなのに。
今の幸せのなかにずっといたいと思ってしまう。 ぬくぬく。
この自分の感情を、まるごと受け入れきれずに、 未だにとまどっている。
それは、彼に彼女がいることと、関係しているのだろうか。
今の状況は、世間一般から見たら単なる浮気といえるのだろう。 (そして私は浮気相手にあたる。)
私は彼女と直接に会ったことはない。 きっとそのせいかな、私の中での彼女はまったくリアルじゃなくて、 お話の中の登場人物みたいな存在。 架空の、生の感情をもたない。
でも本当はそんなこと全くなくて、 彼女は彼女で、彼とうまくいかないことに胸を痛めているはずだ。 分かりきったこと。
それなのに彼女を思いやらない私は、嫌なやつなのだろうか。
というか、正確には思いやる余裕がないのだ。 私も彼が大好きになってしまったから。
彼のことがすき。一緒にいられて幸せ。 でも、背徳感も少なからずある。
感情が、静かに、でもフル回転している。
きっと結局のところは、 静かに成り行きを見守るしかないのだろう。
あぅ、だから自分の感情を極端なところに置くのが怖いんだよぅ。
自分がこれほど、頭のわるい子だとは思わなかった。
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