My soliloquy
kanon



 結婚式

離婚した時
私は 昔撮った旦那との写真や家族写真 結婚写真全てを家の押入れにベラベラに剥がし処分してくれていいと書き残しほったらかしにしてきた・・・

17歳で妊娠した・・
18になってすぐに入籍した・・

その1年後・・・結婚式ぐらいはあげたらどうだという向こうの両親の勧めで結婚式をあげた・・・

だけど・・・
そこで流した涙は嬉しい涙ではなく ため息の涙だった・・・

写真を捨てたのは
思い出の中の一つ一つにあの時答えは見えていたと
ただ・・ため息ばかりがでるからだ・・・

あれは・・・式を終え・・家族で写真を撮る前の二人で撮る時の事だった・・・

ちょうど二人並んで撮ろうとしてたとき 着物の帯が苦しくて私は頭が真っ白になって吐き気に襲われ立てなくなった・・・

私も言葉に出してちゃんと言えばよかったのかもだけど 目の前が白くて冷や汗かいてて言葉も何も出てこなくて・・・
ただ・・周りの声だけは聞こえてて・・・

少し休みますか?・・・の声に返事が出来なくて・・・
旦那の顔を見上げたら 眉間にしわを寄せたイライラした顔がぼんやり見えて もうその時点で何も言えなくて・・・

カメラマンの人が 座って撮られますかと聞いてきたけど
私は・・気分が悪くて・・・
聞こえてきたのは旦那の
「早く決めろよ!」って怒った声で・・・

だから私は「座って撮ります」とそう答えて・・・

蒼い顔してる私の帯を少しゆるめて貰いながら 周りの人が私の目から出てくる涙を拭いてくれていた・・・

それでも涙を止めた後は ずっと彼に気を使いながら 笑っていた・・・
披露宴の間も・・・私は笑った・・・

小さな事だ・・・
自分が悪かったのだと・・・

思い込ませていたきっと・・・

胸の奥に留めたまま 私は自分の選んだ道を信じた・・・

今ならきっと 自分が悪かったなんて思わない・・・
大丈夫かの言葉がかけれないあの人はその時点で失格なのだから・・・


2005年11月29日(火)
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