ひよ子の日記
DiaryINDEX|past|will
2004年06月03日(木) |
「僕」と「ユキ」と「いるかホテル」 |
「ダンスダンスダンス」 村上春樹(著) 講談社文庫 この話に出てくる「ユキ」という女の子と同じ歳に、初めて村上春樹の小説に出会いました。ちょうど13歳で、ダンスダンスダンスを読んだ私はこの小説が大好きになりました。不思議な感覚と恐怖と分からないこと、共感できることいろいろな感情を持って読むことができました。初めて読んだときの驚きは覚えているけれど、具体的にどこでどういう感想を持ったとかは覚えていないのがちょっと残念。ただ「僕」と「ユキ」と「いるかホテル」と「キキ」と「羊男」などなど、登場人物が魅力的だと思いました。その中でもやっぱり同じ歳だった「ユキ」 のことは、少しだけ意識していたように思います。 私は学校が嫌いではありませんでしたが、すきでもありませんでした。行きたくない時に、どうして学校に行かなくてはならいのかが分からなかったからです。我慢できないときもありました。勉強だけなら自分でも(学校に行かずに)出来ると思っていました。休みたい時に休みはじめたのも、ちょうどこの小説に出会った頃だったかもしれません。(ちゃんと覚えてないけれど。)いささか偏った考えだというのは、今となっては理解できますが、あの頃は真剣に考えました。家庭学習。それから定時制高校。それからアメリカンスクール。どれも両親や担任の先生に却下されましたが。 ダンスダンスダンスを読むと、13歳の頃の私を少し思い出すことができるのです。作品の雰囲気と匂いがあの頃の私に結びついていて、周りの空気が13年前の空気に変わっていきます。セックスや大人の生活の描写、ユキと僕の関係に淡々と語られる様々なこと全てが、私に影響を与えてくれました。それは今でも影響を与え続けているものだと、私は思っています。小さな頃に出会ったものは、長く自分に関わってくるものだと、そう思いました。
ひよ子
|