ひよ子の日記
DiaryINDEXpastwill


2004年06月12日(土) 一生忘れないんだ、多分

去年の1月23日に突然目の前からいなくなった私の猫。(つまり死んでしまった)今でも思い出すと涙が出てくる。いつか涙が出なくなる日が来るかなぁと思うけど、6歳から24歳までずっと一緒に過ごしてきた猫だから、いないことがなんだか信じられない。そして1月23日のことを思い出すたび多分一生泣けちゃうんだ。でもそれでもいいや、と最近は思う。忘れることないや。泣いちゃ駄目だよと言い聞かせることもないや。もしこの先自然に泣かなくなる日が来たら、そしたらそれでいいんだ。でもあの子のことは一生忘れないんだ。

すごくすごく苦しんだ最期だったから、最期は泣き叫びながら「もういいよ、もういいよ。もうがんばんなくていいよ」って言ってた。「行かないで」と「もういいよ」がごちゃごちゃになってた。思い出したらまた涙が出てきた。ぐすん。あの子にとっては楽になれた瞬間だったんだ。分かってるけど、分かんないって思った。それから『最期に苦しんだことを忘れないでいたい』と私が思うのは、あの子には関係のないことで、私がわすれたくないだけだ。それでも私は、私の為だとしても、やっぱり忘れないでいたい。

大人しいあの子が、激しい痛みで私の腕に噛み付いたこと。「猫は体の内部の痛みを認識できないから、痛みを感じると外部の攻撃だと思う」泣きながら、昔本で読んだことを思い出していたこと。窓の外では雪が降っていて、白かったこと。窓を開けたら一瞬、ほんの一瞬だけ開ききった瞳孔が小さくなったこと。段ボールに入れて家と病院を往復したこと。ひざに抱えて点滴を打っている間の10分が長かったこと。病院の長椅子に座りながら、さよならを予感したこと。夜更かしの私をいつもベッドの上で待っていてくれたこと。外から帰ると玄関で待っていてくれたこと。かくれんぼをしたこと。私が同棲していた間からっぽだった、実家の私の部屋で、いつも寝ていたと聞かされたこと。網戸を開けて庭に出ていたのに気付かれずに、窓を閉められて鳴いていたこと。


数えきれないくらいのこと。

これから先二度と経験できないこと。

二度と経験できないから、そのときが大事だと分かったこと。
一つの命がこれほど大事なものだと分かったこと。

かわりはいない。誰のかわりもいない。みんなたったひとり。たった一匹。


だからずっと忘れないんだ、多分。
思い出しては一生泣くんだ。
そして思い出しては笑うんだ。
思い出しては懐かしむんだ。

画像は何か作ろうと思ったけれど、力つきたものです。
途中でやめるから、変です。(笑)ごめんよ。


ひよ子

My追加