高層ビルから。宝石箱をひっくり返したみたいに煌くトウキョウと東京タワーを見下ろしながら。ぼんやりと、思う。どんなに。傷ついても、悔しくても。私はトウキョウ、が好きなのだ。権力と欲望の渦中の。尊敬すべき、そして軽蔑すべき人間たちのあいだにまみれ。目に見える世界の、一皮下の世界を見たいのだ。ただ。この身が感じることのみが。真実であり。血となり、肉となる。全ては、自分自身のために。負けるわけには、いかない。