羊水#2 - 2006年01月07日(土) 人の手が入っているのに どういう訳かその公園には トイレらしい建物の影は見当たらなかった。 隈なく見て歩いた訳ではないけれど、 あからさまに探すことも出来ずにいた。 座ろうか? 彼に促されて芝生に腰を下ろした。 その時何を話したのかは覚えていない。 陽差しは暖かく、芝も乾いていたけれど、 地面の奥には冷たさがあった。 ただ言い出すきっかけを待ちながら時間が過ぎた。 寒い・・・ ようやくそれだけを言った。 彼は驚いたようにわたしの顔を見て、 自分のジャケットを脱いだ。 そうしてそれをわたしの肩に掛け、ぎゅっと抱きしめた。 冷えたかな そう言って背中をさすり、手を握り、頬に触れた。 暖かいくちびるが重なった。 じんわりと伝わってくる温もりを感じながら、 思わず身体を固くした。 彼はそんなわたしを解そうと、 次第にエスカレートしていった。 余裕のないわたしの言葉が 彼にきっかけを与えたのだった。 -
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