うす灰色の墨を流したような空もう初夏の便りが花ひらくタツナミソウ雑草のようにたくましくそして美しいいつの間にか名の通り さざ波を立てるように咲いているざあざあと いきなりの音に驚き窓辺に行くと雨が降りだしていた四月の終わりの雨は容赦なく若葉たちを洗うように降りつけるああ 心地良い初夏に移りゆく 力強い雨の午後柿の若葉がつやつやと 灰色の世界の中にまぶしい