雑記目録
高良真常



 テスト

テストですがな

2004年08月01日(日)



 serial experiments lain (ア)

serial experiments lain
    パイオニアLDC / ¥5,775



「私って、だれ……?」

内向的な少女・岩倉玲音。
ある日、玲音の元に、自殺を遂げた同級生からのメールが届く。
“ここには、神様がいるの……”

インターネットという“仮面”を媒介して変貌する人間達。錯綜する本質。
自分探しというにはあまりにも深いリアル。
そして、“本当のレイン”とは……。



とにかく訴えかけてくるものが凄いです。ストーリーは、最初は無機質なほど静かに、僅かな機械音が流れてくるくらいの“日常”ですが、それが変化する時に、玲音の幾重にも絡まった『顔』が見えてきて……。
賛否両論別れる、好き嫌いがハッキリするアニメらしいですが、ハマる人はOPだけでいきなりハマります(笑)。boaの曲(Duvet)とアニメーションが凄くハマってて、本当いいんです……!
ついついboaのアルバムまで買ってしまいました(笑)。
アニメファンを自認する人は、一見は必見!です。









2004年08月08日(日)



 serial experiments lain (ゲ)

serial experiments lain
   パイオニアLDC / ¥5,176
     ※グロテクス表現の注意アリ



同タイトルのアニメのゲーム化……というには異様な作品。
ゲームを起動すると、そのゲーム自体のかりそめの場所=ワイヤードに接続する形となり、そのワイヤードに散らばっている玲音の情報を集めるのが主な目的となっております。
情報のファイルは様々な種類があり、月日の古い順から番号が振られています。



岩倉玲音のカウンセリングの内容。
カウンセリングのファイル。
玲音を担当する精神科医・柊子の日記。
「誰かが」撮った玲音のビデオ。
玲音の日記。
柊子がインタビューした、玲音の友人たちの声。
そして、ボールが当たった時に再生される、謎のファイル……。



ビデオだけはアニメ、他は音声のファイルとなっており、それもこのゲームの特異性を高めている要素だと思います。(玲音の声はアニメと同じ声優さん)
ファイルは幾つものレイヤーに散らばっており、順番も種類もまるでバラバラだったりします。それを聴き、見て、己で考えて導く。そういうゲームです。
そのせいで、ハマる人と全然ダメな人がカッキリ分かれそうなところはアニメ以上かも(苦笑)。
しかし精神心理学や哲学的にかなり深い作品となっており、クオリティは物凄く高いです。
救いのない、暗い結末が待ち構えていますが、その解釈すら己次第で180度変わってくるような……そんな内容。アニメのストーリーとは全く別物と考えていいでしょう。
音声ファイルをイヤホンで聞いていると、物凄く怖くなってきます。追い詰められた人間の心理が、耳を通してひたひたと近寄っているようで……。

そんな中の唯一の謎の癒し(?)。ポリタンというデータがあります。それを全部集めてディスク2に行くと、謎な事が起こります(笑)。

ちなみに数事態が物凄く少ないようなので、入手がちょっと困難です。lainのアニメが好きで、幸運にも売っているのを見かけたら、即買いましょう!








2004年08月09日(月)



 寡黙な死骸 みだらな弔い (本)

寡黙な死骸 みだらな弔い
     小川洋子
   実業之日本社 / ¥1500



(収録作)
洋菓子屋の午後 / 果汁 / 老婆J / 眠りの森
白衣 / 心臓の仮縫い / 拷問博物館へようこそ
ギブスを売る人 / ベンガル虎の臨終 / トマトと満月
満月



天気のいい日曜日、私はケーキを買いに洋菓子屋へ来た。ケーキはイチゴのショートケーキをふたつ。
今日は息子の誕生日なのだ。彼は六つ。十二年前、冷蔵庫の中で死んでから、ずっと六つ…。(洋菓子屋の午後)



淡々と乾いた、でも何処かおかしな彼等の日常。死んだ息子のためにケーキを買う母。手の形の人参が取れる畑。疑心暗鬼に捕らわれ、原稿を手放さなかった女流小説家。僅かな、時には確かな繋がりで続いていく短編集。









2004年08月10日(火)



 くますけと一緒に (本)

くますけと一緒に
   新井素子
  新潮文庫 / ¥400



小学4年生になってもぬいぐるみの“くますけ”から離れられない成美は、突然の交通事故でパパとママを亡くし、ママの親友の裕子さんに引き取られる事になった。
裕子さんは優しくて、パパとママすら解ってくれなかったくますけと成美の関係も解ってくれる。でもだからこそ、大好きだからこそ、裕子さんにも言えない秘密が、悩みが、成美にはあった。
それは、ぬいぐるみのくますけがパパとママを殺したんじゃないのかってこと…


孤独ゆえに大人になってしまった成美と、成美の親友のくますけ。くますけは喋れるのだけれど、成美以外には喋らない。
成美を誰よりも大事にしてくれるくますけだからこそ、もし成美のためにパパとママを殺したのだとしたらどうしよう――…。
幻想と現実の狭間で揺れ動く世界。成美の不安、裕子さん、そしてくますけ…。
ひとつの家族の物語。








2004年08月11日(水)



 ストレイシープ (ゲ)

ストレイシープ ポーとメリーの大冒険
   フジテレビ/ ロボット / ¥5,800




ポーはカモミールの花が好きなストレイシープ(迷い子羊)。ある日、カモミールの花畑で黒羊の女の子・メリーと出会い、友達になる。
一方、「世界の果て」と呼ばれる場所では、ヴォルヴス(人狼)の女王・ヴォルが謎の奇病に悩んでいた。その奇病とは、体の体毛がどんどん抜けていくという病気だった。常より己の美しい体毛を誇っていたヴォルにとって、それは絶望の病。しかし、その病には黒羊の涙が効くと知り、部下のドルとバルに黒羊狩りを命じる。
突然現れた三日月の飛行船にメリーをさらわれたポーは、メリーを助けるためにひとり旅立つが……。



「手に汗にぎらない、ほのぼのアドベンチャー」というゲーム。実際画面でちょこちょこ歩き回るポーを見ているだけでもう降参するくらい癒されまくります。
ミニゲームも、苦手な人のためのズルルールというものがあり、それを使うと簡単にクリアできちゃいます。てか、このゲームが結構難しいんですよ、また……。
ストーリーも凄くほのぼのとしていて、でもほのぼのの中に小さな哀愁が漂う、独特の雰囲気を持つお話です。
クリア後のおまけもあって、ミニゲームや音楽の視聴、ビデオクリップなんかもあります。このミニゲームが、本編のゲームを更にレベル分けしたもので……未だに全クリアできてません; ミニゲームをクリアすると、おまけも更に増えるという、長く遊べるゲームになっています。

そして、参加している声優の豪華なこと!
ポー役に原マスミ、メリー役に遊佐未森、ヴォルにさねよしいさ子、そしてドル・バル・ギルには「たま」の知久寿焼・石川浩司・滝本晃司という顔ぶれ。
とにかく可愛さではNo,1です。お気に入りはゾウアザラアシのセサミv









2004年08月12日(木)



 アンダルシア幻花祭 (本)

アンダルシア幻花祭
   赤江 瀑 
  講談社文庫 / \390(昭和62年当時)



(収録作) 
アンダルシア幻花祭 / 刀花の鏡 / 五月の鎧
音楽室の岬 / 獣心譜



白い家、パティオ、咲き乱れる花に注ぐ熱い陽光――
スペイン地方アンダルシアに魅せられ、踊り手をめざした日本人青年は、恋人すら捨てて旅立つ。
そして数年後、恋人に成り代わった女性が青年の後を追ってスペインへ。彼女が見た美しい風景と酷薄な現実とは?
   (カバー文より)



白い光に灼かれた瞬間、わたしは深い眩暈を感じた。
やってきてしまったのだ、と。もう引き返せないのだと、そう感じた。
深い眩暈に眩み続けるわたしの元へ、一人の青年が声をかけてくる。彼は、西野優一郎の代理だとわたしを出迎えた。
西野優一郎――わたしは、彼に会うためにこの国まで来てしまった。アンダルシアへ。禁忌の国へ。
会うか、会わぬか。その狭間で揺れ続ける心を抱えたまま、わたしはアンダルシアの美しさに酔いしれる。
そして、彼に会う日が、来る――…


赤江瀑、というと、日本的な伝統美や狂気の深淵を描く事で知られている作家さんなので、最初は(読む前は)アンダルシアの眩しい原色のイメージと何処かミスマッチな感を抱いてましたが……読んで、やはりこれは赤江だと、そう思いました。凝固した血液の色のイメージだった彼の“殺し蜜狂い蜜”の文体ですが、その毒は原色ならば原色で、眩しいなら光に満ちて、幾重にも変化するのだと。









2004年08月13日(金)
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