|
|
■■■
■■
■ バージェスの乙女たち
女子有機人形最高の教育機関JM人形院の入学審査は厳しい。血統、容姿、知能、純潔などの項目をパスしなければならず、入学後はより厳しい教育が施される。 それでも学科を終了することができた少女達は、 卒業式の日、晴れてオークションにかけられ、それぞれ競り落としてもらったご主人様に引き取られて欲望を充たす玩具となる。 それは下記のようなモットーにのっとっており、洗脳された少女達にとって、誇りと至福の喜びになる。
貶められる資格があるのは/気高く美しいものだけ 「世の男性は/あなたがたが/傷つき汚れ/転落していく姿に 高い金を払うのです」(「」、原文傍点つき) だから私たちは/金に糸目をつけず/あなたがたを/育てあげるのです。
(蜈蚣Melibe『バージェスの乙女たち-アノマロカリスの章1』1998、三和出版)
清く正しく美しく、という言葉は吐き気がするほど嫌いですが、それならばしばらく矜持をもって生きてみましょう。 たまに容姿を頌めてくださるかたがいるたびに、己と他者の認識の落差にしばしば恐怖するわたし(認識の差は当たり前なのに)ですが、それならばにっこりして、相手を不愉快にさせずにすむでしょう。 品行方正に、貞淑に、美徳に。すべては堕ちる日のためと思えば。
そう、距離が欲しいのです。求めます、求めます。 落下時間は長いほうが美しく、より快楽度は高いから。
ああ、このように洗脳教育を受けていたら、わたしも少しは安寧でいられたでしょうか。
2005年09月15日(木)
|
|
|