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こんな真っ暗な夜の真ん中に わたしをひとり置いていかないで。
喉の奥で必死に乞うけれど 声を出すことができない。
あなたの寝息が静かに聞こえ始めて 取り残されたわたしは怖くて怖くて ベッドにい続けられなくてドアを抜け出す。
こんな真っ暗な夜の真ん中に どうかわたしをひとり置いていかないで。
* *
あなたは冷たい穏やかな声で 深呼吸をして、もうおやすみ、と。 なだめる口調で全てを封じ込める。
わたしが欲しいのは腕枕じゃなくて 根拠のない「大丈夫だよ」でもなかった。 話を聞いてください ほんの少し理解してください ここに広がる闇に、 一歩だけでいいから踏み込んでください。
声は出ずに 願いは届かずに わたしは取り残される。
本当は、ずっと前からこの人は わたし自身に関心がなかったことに 気付いてしまった闇の中 手探りで出口を探しはじめる。 ここは、どこ。 わたしは、一体なぜこんなところに。
2007年01月16日(火)
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