どんなに嫌いだと思っても、すべてのひとを信じれずにいた。 誰ひとり信じれず、誰も彼も嫌いになってゆく。 でもそれも一日の波でしかなく、気付けば笑っているんだ。
悪夢は続いているよ。 皮下組織の筋と編み目と骨が、顔の所々にむき出しになっている淑女。 あたしの親戚もその病気だった。 鎖骨から下の皮膚がずれ落ち、骨と肺が覗けて、あとの皮膚は辛うじて心臓を守っていた。 その時、既に地球の重力は崩れ始めていて、あたし達は立っていることもうまくいかない。 家から少し離れた場所にある防空壕に入り、駄目になってゆく家を視ていた。 地球最後の日だ。 それでも生き残る可能性を求め、寄り合っていた。 止まない鈴の音。 そして目は覚めた。
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