ぼくの武器はなんだろう。 何処からか現れるたくさんの敵を倒し、倒して、 得たものと交換に、 手に入れた、武器はなんだろう。 こころの力はいつまでも変わらず、 美しい死に魅せられてはヴァイオリンを弾くように、 腕を鳴らし、 喉を鳴らし、 成長のないこころは溶けて溢れ出し、 好奇心のまま、なんにでも触れてみる。 戦いを戦いと思わずに、 無駄な力を費やしているようだ。 ぼくは武器を身体の中に、いつの間にか忍ばせているのか。 涙を武器に、 優しさを武器に、 黒い装甲で、歩き始めていた。 ぼくはぼくを見失い、 あの頃の自分とはまるで違う自分を作り、 無責任に放り投げた。 引き連れていたものも振り向けば、 いつの間にか居なくなっていたなあ。 衣を剥ぎ取られた時ぼくは、 どんな力を使えるのだろう。
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