徒然エッセイ&観劇記
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2001年07月26日(木) 「風と共に去りぬ」観劇記SECOND(激辛評)

7月21日夜公演、二度目の風去り(ぴゅ〜)
前日に「いいとこ探そう観劇」にしよう、と言っていたのに、気がついたらまた「あら探し観劇」に!
帰りの電車の中で、がりがり書いたやつです・・・風についての辛い評が嫌な方は読まないようにね。
ちなみに私はこの時、まだ原作を読んでいない真っ白状態です。

<全体評>

見終わったあと、「ああ、そうですか・・・(脱力)」て感じ。

<キャスト評>

・山口バトラー

やはり一幕最初のセリフ回しが・・・何つーか、三音の間をいったりきたりする軽すぎる音が、私の耳には気持ち悪く響く。もうちょっと「音」度を増やす、喉声を少し入れて今より強めに発声してくれればなあ・・・。
「ごきげんよ〜」とか「お嬢さぁ〜ん」とか、激軽口調はまだいいのよ(むしろおいしい)でも、へろへろ口調のくせに偉そうな、説明口調のセリフがどうしても。長いセリフになると、その抑揚のなさが、うう。聞いてると辛い。私の聴覚が拒絶してしまう・・・
反面、二幕に入ってからは、ぐっと良くなる。低めの声が多くなって、感情も伝わるし「出さずにおこうとしている感情」を演技してるのも分かる。
「スカーレット・・・」(←万感の思い)「ほんものの、男」(妙に生々しいプロポーズの言葉)「愛している・・・心から」(心から、がミソ)など、一言だけいうもの、決めセリフが強い。ちゃんと心から出ているように聞こえてかっちょええ。
「早く行け!」(この日は、いきなりオヤジが子供を叱るようなデカヒステリー声だった)のあと、くぅぅって哀しい表情になって、悲しみをこらえながら、プリシーに「俺は今日から旅に出る」って話してる(この少し湿った声!)ところの演技はものすごくうまかった。(うまいとか下手とかそういう視点で舞台を見ている自分が嫌だなあ)

山口さんて体型のせいもあるのか・・・動きが妙に不自然なのよね。特に腕の動きが・・・後ろに組んでる時はまあいいけど、普段手持ちぶさたでいる間、演技しなさすぎてほっとかれた挙句不自然というかな。
表情はきっととてもうまいんだと思う。あんまりまじまじ見れてませんが(遠いから)軽いのも重いのもちゃんと使い分けてそう。

そう!アトランタからタラに逃げるときの衣装、吊りズボンがね!
上に引っ張られるから、ズボンがおしりにぴったりして、おしりのラインがばっちし(鼻血)
あ〜〜何見てんの自分!御免山口さん!とか思いながらそこばっか凝視してしまいましたわ!

どんな衣装を着ていても、ホンっとに山口バトラーは、見た目がかっこいい!!人間国宝やね。
そう、実際この日、山口さんが舞台にいる間、私は山口さん「しか」見てなかったんすよ(笑)リピーターの醍醐味ってやつっす。
最初のシーンで、うしろでグラス持ってうろうろしてる山口さんにロックオン!以後も、メラニーが歌っている間、帽子を持って待機してる山口さん、椅子に座って聞いている山口さん。
かくして山口さんがいないシーンは、オペラグラスを下げておく休憩(爆)いやちゃんと見てます。山口さんのいない間は、「全体を」じっくり見れる貴重な機会なんですから。
だってね。好きなんだよ山口さんが!!この一言が免罪符っす。をほほほほ

この前の観劇記の訂正。初めてのちゅー場面では「つぼみ」とは一言も言っていなかった!
花、の間違いでした。何かあまりに土器土器したので、脳内で官能エロ小説風に翻訳してしまった模様です。「君の小さな唇が開きかけて、誰かのキスを待っている。せっかく開いた花だ、摘んであげよう」(で正解?)
ほんとにズバリないい方をしてたんですねえ〜〜。

訂正そのニ。「バカバカバカ〜」だかなんだか、胸を叩くシーンと「よしよし」は別個のシーンだった!
って気づいて「あちゃー」と思ったのですが、今になって思い起こすとまた脳内で融合しちゃってる。ばかばかーって言いながら叩いてたかどうかも妖しいです(記憶力が・・・)
でもそんな印象残すんだから、しょうがないじゃん。そういうことにしといて下さい(笑)

そして「掌」です。どうも私、山口さんの歌を聴いていると、「音の波」に注聴するあまり、段々「何を言っているか」歌詞が頭からすっぽぬけてしまうのね。
で、今回は、あえて歌詞を聞こうとして頑張ってみた。この前は「子供が死んで悲しいって歌かなあ」ぐらいにしか認識してなかったので、へえ、こんなこと歌ってたんだぁ、深いねえ重いねえと感心。いい詞だよ、秋元君(偉そう)
この日は最初から泣き声入ってて、もう、観客が固唾を飲んで見守ってるのがひしひしと分かりました。
最後ちゃんと歌い上げてくれてよかった。いくら何でも、泣いて歌えなくなってしまったらプロとしてアレですから。
で、猛烈な拍手の中、打ちひしがれて弱弱しい背中で去ってゆくバトラー・・・良かったですよ。これが見たくてまた通うかもしれません(笑)

何だか、終幕に向かって弧を描くように演技に磨きがかかるバトラーさん。カーテンコールではこの前と同じ、おすましバージョンでした。

・大地レット(スカーを省略したんですよん)

大地レットって、「強く情熱的な女」っていうより、「ちゃっかりしたワガママ女」に見える。あえてコメディータッチに演技した結果・・・つまり演出の山田さんいわく「現代風のアレンジ」の賜物ってやつ?それによって、とにかく「ちゃっかりぶり」が悪目立ちしている。
こんなに中途半端に笑える感じでいいのかなあ? 大笑いしてスカッとするってんじゃなく、ビミョ〜。よってシリアス度もビミョ〜。

で、大地さんの演技というのは、声、フリ、表情、何につけても「過剰」すぎるんだと思う。過剰すぎるがゆえ、ウソくさく、リアルに感じられない。
大地レットが「いや〜〜〜」とか悲鳴をあげても、「け、ざまみろ」くらいに思ってしまうのは、私が冷たい人間だからでしょうか。いや、だって、泣き方とか見てもわざとらしすぎるんだもの。全部が全部とはいわないけれど・・・うう〜ん。

大地レットの黒人小間使いさんへの接し方がひどくて何かヤダ。
「この黒んぼが!売り飛ばされたくなかったらさっさと出ておいき!」
いいのかな・・・ま、そういう時代背景をあえて浮き彫りにしたくてこのセリフを入れたんだろうけど。
にしてもスカーレットって、何もかも人のせいにしすぎじゃない?
赤ん坊とりあげられない、とかさ・・・しかも「私のせいよ〜」とか言う場面も、あんまし本心に感じられないんだよね。

この日はVISAカード貸し切りだったもんで、御挨拶。「もう、私も、ツカーレット」
会場からほのかな笑い・・・

・今井アシュレ

一回目と印象変わらず。今井さんて身体の動きと演技とセリフがちゃんと合ってて、間違いなく演技巧いですよ!
大浦みずきさんと共演の舞台「ウナ・ノーチェ」で、さえない中年に化けて大浦さんとSMるのを目撃したときから、はっきりと気付くべきでした。
この日は二度ほどカンだのですが、カミにうるさい私があんまり気にしなかった。もごっとした喋り方も気になりません。原作を知らないので、原作キャラとの相違も気になりません。
セリフにちゃんと、「間」や「呼吸」や「吐息」をつけてます。今井さんに関しては、歌より演技を評価します、私は。
んーだって今井さん、優しい声で歌ってるあいだはいいんだけど、歌い上げはじめると、歌の声濃度が高くなって、力いっぱい過ぎて感情があまりこもらなくなるでしょう?オペラ座CD聞いてると、そう感じますね・・・
誰かと足して二で割れば・・・(ごほごほ)いえ、戯言です。聞き逃して。

今井さん今回のツボ。メラニーが死にそーになってる場面で、メラニーとスカーレットが話してるあいだ、待合室で座ってるアシュレ。ほんとにもおう、打ちひしがれてボーゼン自失した顔してるの!!この顔!!!
そのあとの「恐いのは僕の方だ」あたりは、流石に二回目だから泣かなかった。最後にメラニーに駆け寄っていくもどかしげな姿もうまかったですねえ・・・

・杜メラニー

声の湿り具合が、ほんとイイ。天然記念物級にハマり役。

<楽曲>

秋元さんの歌詞は、キレがなくてヌけてるものが多い・・・と思う。
私流に言うと、ふやけた言葉。古くさい無難な言い回しで、密度があまりない。インパクトもない。
「掌」と「葉巻」は褒めるけど(笑)あとは、うーんうーん・・・

バトラー。「葉巻」はキャラを明確に提示していて、良いし不可欠な曲でしょう。
例によって「♪はじめてあったころから〜」の空気声はもう、でろでろにキモチイイ。
らぶらぶデゥエットも、声に愛が溢れていていいんだけど、今考えると全然思い出せない。なぜだぁ。
「掌」はさっき書いた通り。この演目の目玉かもしれない。

アシュレとメラニーのらぶらぶデゥエット♪たとえどちらかが先に死んだって永遠・・・♪
どうも「死んだって」って言い回しは歌詞としてやぼったいね。じゃあどおしろって?
「永遠の別れを迎えても私たちの愛は永遠」とかさ。あ、コレけっこういけるかも!?(笑)

アシュレが帰ってくるときのクリスマスの歌なんですけど、どうしても冗長な感じが否めない。それ一曲歌にする必要があるのか・・・原作ではクリスマスであることが何か特別な意味合いを持ってるのかもしれないけど、
その程度のことならセリフで十分じゃない??ていうか、あの歌の存在意義がよく分からないんす(汗)
多分、そのあとのスカーレットとメラニーとの三重奏てのがあるんでしょうけど。
三重奏は実際のところ、スカーレットの声が通り過ぎてて、あんまりメラニーとクリスマスシンガーズ(笑)の声が聞こえない。
大地さんの声量っていうか、声質の通りが良すぎるからしょうがないんでしょうかね・・・

クリスマス良かったねの代わりに、そうだなあ。アシュレが向こうで「やっと帰れる〜」って歌うとかどうかなあ。バトラーはこの際関係ないし。
何かなあ。へーっ。クリスマスなんだあってくらいにしか思えないから。聴いてて段々飽きてくる・・・

スカーレットの歌は、繰り返しも多いし、結構よく思い出せますね。大地さんってことばがくっきりしすぎてるから、歌というより言葉って感じだ。
♪家はどこ 家はどこ 家はどこ♪
この三番目の「どこ」を毎回ハズす(というかムヅかしい音階?)のが気になる。
それと「女は降伏しない」で節に合わせて首をカクカクして歌うのはちょっとおかしい(笑・御免)

メラニーの「子供は天使だわぁって歌」アシュレの「あの頃は良かったなぁって歌」
オハラ「赤き大地よー」みんなで「南部の旗が〜」

某掲示板で、♪南部の旗が〜が某球団の応援歌に似通っているという指摘がありましたが(笑)私はこの曲を聴いてすごく思ったんすよ。
マーチ調テーゼにヒジョーにのっかったメロディーと伴奏。ああ、佐藤さんの楽曲って、いつもはどうだか知らんけど、「こういう曲」って枠にのっかった王道すぎる王道ばかりなのね。
ジャズ(葉巻)とかシャンソン(お葬式)とかさ・・・あまりに無難な楽曲。もう、人間がわざわざ作んないで、コンピューターに「こういうリズムでコード進行で〜〜調で」って入力すれば出来ちゃうような。オリジナリティがないの。御免、言い過ぎたわ。
まあ、宝塚といい、日本のオリジナルミュージカル音楽って大体そんなもんかもしれないね。

で、思うに、このミュージカルの楽曲って不可欠なんじゃなくて、「歌わしとけばいいか」って曲が多い。
セリフで分かるようなことをあえて繰り返すのは、ただでさえ時間がないんだからムダじゃないか?どうせ歌を入れるなら、セリフじゃいいあらわせない部分をうまい具合に補う(掌)方向で歌作りしてくれないかな?

<その他印象シーン>

豪華客船でランデブーシーンで、ひらひらと踊りながらスリをしているかっちょいい男の人がいます。この動きがステキ。最後にちらっと胸元から札束を出して、ささっと逃げていきます。注目!!
お店のシーンで、スカーレットとフランクさんが言い合ってる間、後ろで何故かタップの練習をしている男達が?
黙々と左側で椅子を磨いている、バイト君(名前知らず)もステキ。ああいうキャラ好き☆

<席番>

この日はニ階M列、つまり一番後ろの席だったのですが、いいっすよ。私一番後ろ大好き。だって後ろのお客さんを気にしないで済むし。何か「ふふ、一番後ろだぜ」ってでーーんとした気分で見守ってる気がしません?
見ずらいって言われますけど、私はぜーんぜん、平気なんですよ。特に何故か風は、いくら後ろから見てもちゃんと見える。ライトが明るいからでしょうかね?
ま、もちろん顔は見えませんから、オペラグラス常備で追いかけるわけですが。

<パンフ>

今回も買わなかった・・・立ち読みはしましたが。ああ、だから曲名とか分かってないんですよ、私。
しかし稽古場写真の山口さん、いいお顔がいっぱいで(涎)欲しいのは山々、だが。満足していない演目のパンフは買わないという私の主義が(涙)
それに来月になったら舞台写真に挿げ替えられる気がする・・・んで、そっちでもいいかぁと。両方買う気にはなれませんからねぇ。
その代わり「月刊ミュージカル」購入。ああ!山口さんのこの笑顔を見ていると、こっちまでマジでにやけてきます!!
しかも今井さんの目の優しいこと・・・ステキだ。


ふぅ。ここまで三時間、頑張って打ち込みました。言いたいこと全部言ってすっきりです。
次回の観劇が楽しみだな。何てったって初のS席だしっ!!
山口さぁぁん(以下連呼)


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