徒然エッセイ&観劇記
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2001年08月02日(木) |
「ウナ・ノーチェ」思い出し観劇記 |
2001年2月頃。この観劇記は、純思い出し観劇記にするため、現存チケットやチラシは一切参照致しません。
元宝塚トップの大浦みずきさんのタンゴ・ミュージカル。宝塚や東宝で活躍中の小池修一郎氏演出。 元ジャベールで元ガストンで元怪人の今井清隆さんと、元四季の吉野圭吾さんが友情出演。
タンゴのメロディーを舞台上左奥で、その節のバンドさん(五人ほど)が奏で続けている。アコーディオンとヴァイオリンが目立っていた。やっぱ生演はいいぞ。
新宿だか銀座だかの小さ目の劇場。母が新聞の懸賞で当ててくれたチケット、10列目くらい。最初ミュージカルファンでない友人を誘ったのだが、日程が合わず断られたので母親と行った。友人(マジメ)と行かなくて良かったけど、母と行ったのもある意味失敗(後述)
というのもこの演目を見ての私のポイントは・・・
1・ロコツにえろい 2・歌がクサい(いや、口が臭うとかじゃなく) 3・だからなにさ?(笑)
ああ、これぞ大人の娯楽かもしれません。しかしうちの母様は、何といいますが普段からエロいものに拒否反応を示す方でして、私と兄貴が映画を見てて、丁度ヤバいシーンのときにTVの前を通りかかったりすると、「○○○←兄貴の名前、そういうのは○○子に見せちゃだめでしょ」とおっしゃいます。オイオイ、あたしゃもう18禁を過ぎとんだぞー。 体勢や虚勢ではなく、心底そういうものに母様は嫌悪感を抱くらしいのです。私にもそういう傾向はありますが、私の場合フィクションとしてならかま〜んぷりーずです(笑)
てわけで母様はしかめつらでしたが、私は「うお〜」と心の中で叫びながらドキドキしてました。あんなエロい舞台はこの先滅多に見ることもないでしょう。 あら、どんな風だか気になりますの?奥様方(微笑)それでは、舞台の詳細を書きたくってみましょう。
働く女性大浦みずきさん、会社風景のあと、ロッカールームでスーツを脱ぎ脱ぎして、おミズ系な服に着替え、化粧をし、髪を結う。
舞台セットは、渋谷のホテル街をイメージしたらしく、真ん中に古びた階段があって、上ったところに自動販売機があるシンプルなもの。 階段を上ったり客席に下りたりしながら、大浦さん、宝塚的に熱唱。 ♪私は夜の花〜♪だか♪ほんとのあたしはどこ〜♪だか(いいかげんだなあ) OLのアイデンティティは仕事だけでは満たされず、彼女は夜になるとテレクラの「私は女王様マリアです」メッセージを使って、マゾ男を釣るのであった。
釣られたのはさえないサラリーマン今井。ホテルでおちあった二人。舞台上には一個のソファー。今井さんはリストラされてもう生きる気力がないから、「殺してくれー」と大浦マリアに頼む。「え!?」 戸惑いつつもとりあえず女王様になって(ほぼ下着な、ほんとに女王様ファッションです)今井さんを鞭でびしばし叩いたり紐で縛ったり手錠をかけてひきづりまわしたりわんわんスタイルにして背中に乗ったりして、首を締めていたら今井さんがほんとに死んじゃったんだか、今井さんが勝手に自殺しちゃったんだか、で「キャー!どうしよう〜」ってホテルを逃げ出すマリア。
ぜえぜえ。自販機でジュースを買って落ち着こうとするマリア。すると吉野さん(いかにもジゴロ)がやってくる。 大浦さん♪私は渋谷のマリア〜♪ 吉野さん♪俺は渋谷のトニー〜♪ 客席から笑い。誰もがこのあと「テゥナイト」が歌われると思ったが、そーゆーことはなかった(笑) 「マリア・・・」「トニー・・・」何だかいい雰囲気☆
で、ホテルだかトニーの家だかに行く。 待ちきれねーぜ!て感じでお互いの服をがしがし脱がしっこしながらダンス。もはや両人とも下着ですってば。 下着状態で身体を密着させてタンゴ・・・私はそいつを目の当たりにして、やはり男女ダンスとゆーものはエロいものなんだと改めて認識しました。生生しいよーっ!
さらにエロは続く!鉄パイプで骨組みになっている、ベットを模した物体が縦置きにされておりまして、つまり客席から見るとベットを上から見ている具合。 で、そのパイプの網の目をお互い、ぶらさがったり絡まったり上になったり下になったりひっぱったり寄りかかったり、くんずほぐれつするわけですよー!! もう客席唖然。いいの?いいの?て感じさ。
もちろん、まじにそれそのものの仕草は致しませんが、あれっぽかったりそれっぽかったり・・・ああ、これ以上は私の口からは(赤面) マジエロかった。そしてキレイでもあった。お二人の裸体そのものもキレイだったし。 これは私の勝手な印象ではなく、お客さんも皆そう思ったし、出演者や演出家、振り付け師の意図もそうだったのだと思います。「SEXそのもの」を舞台上でやっちまうだなんて、冒険度MAXだ。さすが大浦みずき、恐いもの知らず!!
んでもう、私たち愛し合ったのね〜って、安らかな眠りにつく二人。一幕終了。
ニ幕。スーツの男性が鏡の前に立つと、鏡の中から同じ格好の人が同じフリで出てきて、二人合わせてがしがし踊りだす。あれれ?後から出て来たのは、誰かと思えば大浦さん!宝塚時代からのファンへのサービスかしら?
余興終わり。トニーはヤク中で、電話がかかってきて、トニーの代わりにマリアが出ると、どうやらヤバい仕事らしい(暴力団系の?) トニーに「行かないで〜」て言ってると、トニーのヤクが切れてきて、「ヤクをくれー」と暴れだす。 しょうがないから注射してやったら、「お前もやれよ〜」と言われ、「あたしはやんないわ!帰る!!」
すったもんだして、またテレクラで釣った男と喫茶店で会う。が、それは以前お付き合いしていた上司(今井さん二役)だった。 バレないようにサングラスをかけて(何で気付かないんだ〜)「奥さんとうまくいってるの・・・?」とか探りを入れるマリア。 今井上司は「うまくいってない・・・以前、死ぬほど愛した人がいた。あの時は彼女の気持ちを分かってやれなかった・・・」と語りだす。ああ〜定番すぎて吐き気が(オイ) マリアが、(ああ、この人ともう一度やりなおそう!)と思い始めたところで、テンパってるトニー乱入!!
このやろー!! トニー、マリアを打とうとして、マリアをかばった今井氏を撃ち殺す。 何すんのー!! マリア、トニーを撃ち殺す。 マリア、警察に捕まって手錠をハメられる。
ラスト。オープニングで歌った歌をマリアが高らかに歌い上げてオワリ。
ね。1・エロい 2・歌がクサい(歌詞ちゃんと覚えてないのでここは略)これは3にも繋がるポイントっすね。 3・だからなに?(笑)何か、歌の内容や人物が使い古されているというか「今さら何を?」て感じなのよ。一貫したテーマはOLのアイデンティティなんだろうけど、で、二人の男が死んで一体何がどうなったといえるのか?彼女はそれで自分を確立することができたのか?どうせまたテレクラに電話するんじゃないか? そういうテーマ性をこの舞台で追求して考えることすらムダかもとさえ思わせる筋書きでした。あら、ボロクソ言ってるみたい。 でもね、だからなに?のあとに(笑)をくっつけて、許しちゃえるほどのものをこの舞台は持っていました。特に1で(笑)
そうそう、この演目のお客さんは、宝塚時代から大浦さん好き!ていう風な、マダムなおばさまが多かったですわよ。数名の婦女子様が、「これからお茶いたしません?」とか言っていて、ちょっくら世界が違いやした。 男女比は0.5対9・5ってとこ。家内に連れられたっておじさま少々。私が最年少だったかも!? お子様に見せてはいけない舞台でした。わはは
付記 1・売店で、今井清隆さんがインディーズで出した英語ミュージカルCDを買った。内心、山口さんもこういうの出してー!!って叫んだ。 2・大浦さんと吉野さんのファンクラブ入会案内が配られた。どちらもお高かった記憶が。それを言うならろっくりばーの初年度も(略)なんちて。音楽アーティストに比べると絶対数が少ないからしょうがないのね〜
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