2006年04月09日(日)<<<盲
僕はいつの間にこんな冷たい人間になってしまったの・・・?
そう、自分に問いかけ続けた昨日の夜。
僕は、隣で不安に潰されまいと頑張る男に背を向けて眠った。
ひとりにさせたくはなかったが、
男の無理な欲望には応えてはあげられなかった・・・。
「このまま一生目が見えなくなったら二度とセックスも出来ない」
そんな悲観すること無いよ、見えるようになるよ、なんてとてもいえない。
でも
この足を開くことはとても出来ない・・・トモダチだから。
ううん、僕にはその男より愛する男がいるから。
酷い女だね。
隣で眠っているのに。
でも嫌だった。
他の男に抱かれるくらいなら、独りぼっちでいいと思った。
彼だけに愛され
彼だけに見つめられ
彼と僕だけの世界があって
そこを終わらせるときは一緒に死のう。
そんな風に思う僕は異常なんだろうけれど、仕方ないよ。
今朝
男と起きて支度して、男を病院に連れて行った。
男は、今日から入院する。僕は、見舞いに行くだろうか?
わからない。
男は今朝、触ることすら拒否しつづけた私をなじった。
帰りたかった。
でも彼の治ったと思っていた目が見えなくなった恐怖を思い、
僕は黙った。黙ったら自分の苛立ちでちぎれそうだった。
僕が今、
この目が見えなくなったとしたら。
きっと、
僕は高いところから飛び降りると思う。
見えなくていい、見たくない、そう思いながらも・・・
僕には愛しい景色がたくさんあったよ。
まぁ、寂しい話。
一生の友である本、物語を読めなくなると言う事、
それが出来なくなったら僕はもうこの世で平静を保てない。
物語の中でだけ現実を忘れて笑うことが出来た、昔の僕。
今も変わらず、僕は読書家。本は人間よりも深く長く僕の友人。 |