エアーポケット
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2006年01月09日(月) |
手紙が織り成すストーリー |
年賀状の往来も一通り終わり、年賀状を整理しようと毎年のように送られてくる年賀状を入れる箱を取り出した。そこにはなんとか年毎に重なっている葉書が詰まっている。ただ重ねているだけだから、年の区切りがわかない。もっとしっかり整理するべきだなと思いながら、今年の年賀状をその重なりの一番上へまた重ねて箱を片付けようとした。そのとき箱の下のほうで一枚の手紙が「見つけてくれ」といわんばかりに、はみだしてアピールしていた。僕はその日焼けした手紙を引っ張り出した・・・。
久しぶりです。
かなり遅くなってしまったけど、あなたの荷物をお返しします。
これからも元気でがんばって。
仕事にもがんばって下さい。
もちろん恋にも。
私は子育て、がんばってます。
長い月日の中で僕の記憶から消されていたその手紙、そして君。文字を読んだ瞬間に誰から送られてきたものなのかはっきりと記憶を取り戻した。あの時はこの手紙を悲しみのかなで読んだのを、でも今は素直に懐かしい。僕が書いた散文詩を読んで「すごいね」といった君の手紙はやっぱり少し下手な文面で、たぶん荷物だけ送ってっていうのは味気ないと思ってサラっと書いた手紙なんだなと。当時の僕はそんなこと読み取れず、ただ悲しんでいたことを君が知るよしもないね。 あれからかなり時間が流れたけど、僕の流れる時間はとっても色んなことがあったんだよ。って返信でもしようかなって一瞬考えたけどやめることにするよ。君の今と、僕の今じゃたぶん流れてるはやさがあまりにも違いすぎるような気がするから。それでも幸せなんだろうなって想像ができるのはあのときはお互い本気だったからだと思う。 ただ行き先が変わっただけの終わり方をした恋。僕はその手紙をまた同じように箱の下のほうへ少しはみ出すように挟んで、「また来年逢いましょう。」そう投げかけて僕は箱に蓋をし片付けた。
Today's Favorite Song
CHAGEandASKA 『野いちごが揺れるように』
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