2010年07月08日(木) |
委員長のゆううつ。その2−38 |
落ち込んでいても仕方ない。膝を抱えていても時間は過ぎてく一方だし、なによりもまた怪物に襲われないとも限らない。 「この子、大人しいんですね」 後ろをついてくる狼をふり返りながらマリーナさんにつぶやく。犬は嫌いじゃない。飼ってる友達と一緒に散歩だってしたことあるし別にアレルギー持ちというわけでもない。それでも狼と即座に友達になれる人間っているだろうか。 そういうわけで、狼にはあたし達の後ろをついてきてもらうことになった。マリーナさんが声をかけると二つ返事でこうなった。大人しいはもちろんだけど、賢いのかもしれない。 「マリーナさんはずっとこの世界にいるんですか?」 歩きながら人魚の女性に問いかけた。 「あんたは今まで別世界に言ったことがあるのかい?」 質問返しされた。あるわけがない。生まれてこの方十六年、ずっと地球生まれの地球育ちだったんだから。 「まあね。いきなり見ず知らずの場所に来て見ず知らずの化け物と戦えっていうのも無理があるさね」 「でしょう?」 あたしはあくまで修学旅行という名の父親捜しにきているんだ。しかもリズさんからの半強制の依頼じゃなかったらこんなところ来るはずもなく。あたしはあくまで被害者なんだ。どうしてこんな目に遭わなきゃいけないんだ。 「でも、何もしないまま逃げっぱなしっていうのもシャクじゃないかい?」 ぐうの音もでなかった。
過去日記
2006年07月08日(土) ネタがなくて申し訳ない 2005年07月08日(金) 「SkyHigh,FlyHigh!」Part,63UP 2004年07月08日(木) ヴィルガスト 2003年07月08日(火) ポッキーとプリッツ
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