Can't be seen - 2005年02月05日(土) 雪の一番町に降り立った。 けれども二丁目がどこか分からなかった。 電柱に教えを乞うと、ここが三丁目だと宣った。 役所側から順に割り振るのが行政のやり方だろうと、 試しに歩いてみたら四丁目に突入した。真逆だった。 141の由来を考えていたら分かる話だった。 多分、僕は、昂揚していた。 窓の外に街を望み、 黒いレンズの向こうに心を覗く。 交わしたグラスから溢れる酒は魂を潤した。 とうに忘れかけていた酩酊へと自然に 誘われていくのが不思議でたまらなかった。 想像の中でキースを重ねていた。 根拠も何もない。それしか思い浮かばなかった。 そうは言っても僕は20年以上も前の彼を知らない。 だからそれが合ってたかどうかなんて知らない。 ただ、一つ、彼は煙草を吸わなかった。 それが違った。 もしかすると、 そう思わされているのは自分だけで、 彼は見えない煙草を吸っていたのかもしれない。 そう考え始めたら、 景色がガラリと変わって見えた。
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