||〜*…clover…*〜||
There are all in one.
◆cloverに出てくる人々◇|*|◇エンピツ書きに48の質問◆
2013年05月27日(月) |
dip blue in the city |
わかりきった事象というのはよくある話だ。
その日めずらしく玄関からやって来た隣人が、そのくせ一切こちらをみずに胸ぐらを掴みあげ(のびる)一言も発しなかったとしても、何一つ不思議ではなかった。
だから、その果てに絞り出すように発せられたぶつ切りの接続詞も、その続きを問うに値しなかった。
そのまま彼女は愛もかわらず俺への配慮などガン無視で何事もなかったかのように部屋へと戻っていき、だから俺は普段彼女がそうするようにベランダ越しでその排社的な要塞へと乗り込んだ。
2、3会話を交わして、それが俺と隣人とのやり取りのすべてだった。
今はまた、これ以上踏み込むべきではなかったから。
その日、夜が更けても隣室は普段通りで、俺は壁を殴った。 窓の外には星屑が散らばっていて、町並みは無言の檻だった。
毒されているのは、俺も、隣人も、同じで大差ないのだという主観がどこかで未来を抉った気がした。
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