||〜*…clover…*〜||
There are all in one.
◆cloverに出てくる人々◇|*|◇エンピツ書きに48の質問◆
2013年05月28日(火) |
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わかりきった事象というのはよくある話だ。
その日は普段めったなことをしない隣の馬鹿が何を思ったか日頃あれだけ忌っているベランダからやってきて、そのうえご丁寧に缶チューハイなど土産てきた。
「ん」 「・・・いらない。どーも」
断ったことにたいして気を悪くすることもなく、プシッと景気のよい音が聞こえる。とどのつまり、アシカショー。そいつは手土産を自分で消費するつもりらしかった。
そうして、次にそいつが口を開くより早く、あたしは釘を刺す。
「あと少しだから」 「そうか」
何がとは言わなかった。 そんなことは暗黙の了解過ぎて。 それが互いの、否、世界のルールだった。
いつか互いが必要となり、その果てに必要なくなるのだ。
これは、ギャンブルではない。 戦いなのだ。
これは、ギャンブルなのだと彼女は言った。 最後には何も残らない、賭けを装った不毛な浪費なのだと。
ただ、終るまでは終わらないというただ一点でその浪費は彼女にとって必要不可欠な消費であった。
だから止めることはできないのだと、俺は知っていた。 彼女が言葉とは裏腹に、有りとあらゆる贖罪の方法を抑し込めているのだということも。
「・・・・それでも」
絞り出すようなその言葉が、彼女を彼女足らしめ、同時に、奪っているのだと言うことも。
全てが彼女にとっては救いで 全てが彼女にとっては毒で
とっくに どうしようもできないことを悔いた俺は
壁を殴った。
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