日帰り上京。
Aさんとの電話が終日すれ違い、やっと連絡がついたのは、 帰り着いた駅のコンコースだった。
実は、と恩師であるSさんの訃報をきかされる。 肺への転移が見つかったがんは、結局Sさんをそのまま連れて行ってしまった。
ああそれでか、と合点がいった。 週末にみた夜空は、きっとお別れの空だったのだ。 あの時私はきっと、旅立ってゆくSさんにさよならをしていたのに違いない。
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もうSさんにお会いできない。新橋で杯を重ねることも二度とない。
死別は、いずれ、とか、いつか、という、 曖昧に希望を残す余地がないことを思い知らされる。
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別れは寂しいが、出会えたことに感謝したいと思っている。
ただ、最後にきちんと、ありがとうございますと言いたかったなと、 それが心残りである。
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