先月のこと。
十数年ぶりに浦安の−否、舞浜の−TDLへ。 中学生3名様を引率しての、お上りさん小旅行である。
朝の出だしから、難民キャンプか!と思うほどの人ごみ。 万単位の群衆がどのようなものであるかを知るには、確かによかった。
アトラクションは全て電動である。 電動の乗り物に乗り、電動の人形が動き、電動の映像と音声がある。 エネルギー消費いかばかりか!と思わざるを得ない。
唯一生身の人間が登場するパレードは、大人気で何時間も前から場所取りをしている。 これは、群衆が無意識に人の気配を求めている証左だ。 人は、人がすることを観たいのだ。
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万単位の人間が、飲み食いをし、排せつをし、消費する。 この壁の向うのバックヤードには巨大な浄化槽があり、廃棄物処理施設があり、物流のための輸送が四六時中行きかっていることだろう。
ほとんど全ての客が、園内で購入する飾りつけをしている。 いったい、一日に何万個のネズミの耳が生産され、売りさばかれているのだろう!
これらはおおかた、明日の朝には全く不要で馬鹿げたアイテムになっている。かぼちゃの馬車みたいに。そして例外なくお払い箱だ。 お持ち帰りされた夢の賞味期限について、東京オリエンタルランドは追跡調査すべきだと思う。
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これが、ウォルト・ディズニーが描いた夢の世界なのだろうか?
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五十路に近い中年女が場違いな娯楽施設に来るから、かように文句ばかりである。
けれども、浦安の東京湾の風や空気は、十数年前と変わらない。 仲良しの佳誉子ちゃんと訪れた昔を思い出した。
例えそれが、ひどいものだと思っている、混雑したTDLであっても、 その場所に立つことで自動的によみがえる静かな記憶というものがある。
不思議なものだ。
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