月と散歩   )   
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2003年07月06日(日) やわらかな死と再生と、あと なんか。


やあ。
サボりもサボったり、二ヶ月と二週間。

スンマセン。


…さて。

―――

5月。

―――

ツクバの出張から戻った僕を待っていたのは、『定時地獄』だった。

…『地獄』だなんて。
いそがしい人が聞けば羨む話。毎日、定時であがっていい なんて。
僕もそうだった。

…最初は。

お金の話はヤラシイからしたくないけど、
…僕は仲間内では『むっつり』で通ってるんで、ま、いっか(ヤラシイ違い)…
僕のお給金は残業代で保たれていると言っても過言ではなく。

つまり、最初のうちは わーい定時だー、なんて はしゃいでいたのが
一週間もするうち、のっぴきならない現実ってやつに気付いたのだ。

そして、『現実』は一枚の紙に姿を変えて僕の前に現れるのだけど。

それはもうちょっとあとの話。

―――

あ。

二ヶ月分、まとめて書くんで 長いっスよ?(苦笑)

―――

毎日定時で帰るどころか、「休んでくれ」なんて頼まれる始末。
当然、ゴールデンウィークもフル+α で いただきました。

―――

田舎に帰る。

―――

この春、めでたく3度目の就職をした仲間が
ちょうど研修終わって配属先へ赴任する準備をしていたので、手伝うことにした。

お引越し。

「ほとんど準備できてないんだ」という言葉どおりの部屋を、
3人がかり3日間で なんとかまとめる。
その間、そこに二連泊(苦笑)。


僕も彼も、『モノ』に対する執着がどこか似ている。

そのせいか、部屋の汚れ方も なんか似てる。
ベッドの隙間から迷子の靴下が出てきたり。
冷蔵庫から賞味期限の切れた缶ジュース(未開封。限定モノ)が出てきたり。
他人がみるとどうでもいいようなものを大切に残してたり。
誰が見ても大事なものが、無造作に置かれていたり。
でも雑然としてるようで、本人にはわかってる。


そんなんで、自分の部屋の掃除となると からっきしな僕だけど
不思議と他人の部屋だと はかどる。

…そうか!
僕は他人のモノなら容赦なく扱えるのか。

…いやいや。んなことはないですよ(汗)。
ちゃんと丁寧に梱包しましたとも。いや、ホント。

とにもかくにも、しだいに部屋が整然と片付いていく様は見てるだけでも気持ちがいい。

でも、片付く前の部屋のほうが落ち着いたのはなぜでしょう(苦笑)。

―――

ばたばたと3日間が過ぎ、彼は最果ての任地へと旅立っていった。

頑張れ、とは言えた立場じゃないけど
歩けば見える風景も変わる。
その先は、少なくとも今よりはマシな眺めさ。
一日一歩。
三歩進んで ニッと笑おう。

…そこでまた会おう。同志。

―――

…あ。
田舎帰って、引越しの手伝いしかしてないや…(苦笑)。

―――

名古屋。

帰ると、寮のネコ(野良が住み着いてる)が増えていた。

仔猫。


春が終わる。


―――

連休が明けても、相変わらず仕事はヒマ。
やることは まあそこそこあるんだけど、人を動かす『お金』がないのだそうだ。
いままでで使い過ぎたツケが廻ってきたのだ。

なにか作業をすると『お金』が発生するから、なにもしてくれるな…とは。

まさに、飼い殺し。

―――

毎日パソコンの前に座り、時間が過ぎるのを ぼう と待つ。

まるで、定年間近のおじいちゃんのようだ。

―――

この頃、浮かんでは消え していた転職の考えが
次の段階へ入る。

―――

ある日、寮に帰ると駐車場の隅から声が聞こえた。
辿っていくと目が開いて間もないような仔猫が二匹、にぃにぃと鳴いていた。

うわわあぁぁ…!(喜)

思わず抱き上げたくなったけど、ちょっと離れたところから親猫が心配そうに見ている。

…そんなに大切なら、逃げないで牙剥いてくるくらいの心意気みせろよ…!

無警戒に足元へすり寄ってくる仔猫の脆さに、ちょっと切なくなる。
アタマを ぽんぽんと撫でて部屋に退散。

…。

デジカメ持って戻ったら、もういなかった。

ちぃ。

―――

仕事。
ヒマさ加減が、佳境を迎える(笑)。

他課への応援の話が持ち上がる。
要は、忙しくしているところへの『出稼ぎ』だ。
当然のように、僕の名前も挙がる。

課長から
「いろいろあるけど、武者修行と思って 頑張って」
と、激励を受ける。

なんじゃ、そりゃ。

―――

未知なる『次の一歩』も魅力的だけど、もうそろそろ『安定』なんてのも悪くない。
そう思い始めた矢先だった。

…跳ぶなら、いまか…。

ちょうどよく、愛想も尽き果てた。

―――

六月から、
僕は戦闘機の整備に移ることになった。



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